CPO レーベル~2022年8月発売新譜情報(5タイトル)
知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。知られざる名曲の発掘、古楽から現代まで幅広く揃えたコレクション、高品質の録音で人気を誇るドイツのCPOレーベル。
今回は歌曲作曲家カール・レーヴェの2曲の交響曲に、ドイツ後期ロマン派の作曲家ハンス・ガルのピアノ四重奏曲、レーガーのオルガン作品集第8集(SACDハイブリッド2枚組)、C.P.E.バッハと親交のあった作曲家E.W.ヴォルフの鍵盤作品集、そしてインスブルック古楽音楽祭で350年ぶりに蘇演されたパスクィーニの歌劇“イダルマ”の、CD5タイトルがリリースされます。
カール・レーヴェ(1796-1869):交響曲 ニ短調/交響曲 ホ短調 他
ジモン・ガウデンツ(指揮)イェナ・フィルハーモニー
歌曲の作曲家として名高いカール・レーヴェが書いた2曲の交響曲が登場。ホ短調交響曲については、レーヴェ自身が「1834年12月15日に作曲を完了した」と書いたメモが残っており、ニ短調交響曲に関しては、1835年に作曲されたと推測されています。楽器編成は2曲ともよく似ており、特に4本のホルンが活躍するのが特徴といえるでしょう。ニ短調交響曲では第2楽章がスケルツォ、第3楽章が緩徐楽章(アンダンテ)という、当時の一般的な並びとは逆の配置になっています。終楽章は嬰ヘ長調で始まり、ニ長調、ニ短調へと移行する斬新な展開を見せます。どちらの交響曲も演奏時間は30分ほど。古典的な構成に歌うようなメロディ、ロマン派の短調作品らしい悲劇性や哀感を湛え、急速楽章はオペラの序曲のようにドラマティックでありながら対位法的な展開もあり、ドイツ・ロマン派の交響曲に関心がある人ならばきっと楽しめる作品です。「テミスト」は同名オラトリオのための序曲。古典的な佇まいを持つ小さな作品です。ジモン・ガウデンツが指揮するイェナ・フィルハーモニーの演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
一部世界初録音
ハンス・ガル(1890-1987):ピアノ四重奏曲/組曲 他
ゴットリープ・ヴァリッシュ(ピアノ)、アーロン四重奏団のメンバー、ハルトムート・ローデ(指揮)フランツ・リスト室内管弦楽団
オーストリア生まれの作曲家ハンス・ガルのピアノを伴う室内楽作品集。ブラームスを崇拝していたガルは、終生後期ロマン派の作風を遵守し、常に旋律美に溢れた作品を書き続けていました。
このアルバムに収録されているのはガルが1922年から1940年の間に書いた作品で、うち2曲は世界初録音。メインとなるのは、戦争で右手を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインのために書いたピアノ四重奏でしょう。各々が際立つ性格を持つ4つの楽章で構成されたこの曲はまさにガルの真骨頂と呼べる作品であり、ウィーン古典派の伝統を受け継いだ美しい旋律はとても耳なじみのよいものです。
同じく世界初録音となる、ピアノと弦楽オーケストラのための「コンチェルティーノ」も古典的様式を好んだガルの美質が表れた作品です。古典から近現代作品までを弾きこなすピアニスト、ゴットリープ・ヴァリッシュを中心としたアンサンブルでお楽しみください。
(ナクソス・ジャパン)
マックス・レーガー(1873-1916):オルガン作品集 第8集(2枚組SACDハイブリッド)
ゲルハルト・ヴァインベルガー(オルガン)
cpoレーベルの「J.S.バッハ:オルガン作品全集」の録音がドイツレコード批評家賞を受賞したオルガニスト、ゲルハルト・ヴァインベルガーによるレーガーのオルガン作品集。
第8集に収録されているのは、レーガーのオルガン作品の中でも重要な位置を占める「52のやさしいコラール前奏曲 Op. 67」からの抜粋を中心とした作品集。1901年5月、レーガーは彼の友人でオルガニスト、カール・シュトラウベに「有名なコラールに基づく前奏曲を30曲書く」と伝え、やがてこのプロジェクトは全52曲の曲集へと発展しました。これらは、タイトルに「やさしい」とあるものの、演奏は決して容易ではなく、レーガーらしい込み入った対位法がふんだんに盛り込まれた厚みのある響きに彩られています。彼自身、この作品はバッハが書いた多くのコラール前奏曲に比肩するものと自負していました。他にも「4つの前奏曲とフーガ」や「おお、血と涙にまみれた御頭よによる変奏曲とフーガ」などの名作を収録。ヴァインベルガーはレーガーが活躍した時代に造られた2種類のオルガンで演奏。今回の第8集も、これまでと同じくマルチ・チャンネル対応のSACDフォーマットで、オルガンの美しい響きが余すことなく捉えられており、高音質を楽しむことができる2枚組となっています。
(ナクソス・ジャパン)
エルンスト・ヴィルヘルム・ヴォルフ(1735-1792):クラヴィアのための作品選集
フローラ・ファーブリ(タンジェント・ピアノ)
ヘンデルとムッファト作品を収録したデビューCD(555325)で鮮烈な演奏を披露した、ブダペスト出身の鍵盤楽器奏者フローラ・ファーブリ。このアルバムではドイツ後期バロックの作曲家エルンスト・ヴィルヘルム・ヴォルフのソナタを聴かせます。ヴォルフは幼いころから楽才を発揮、ゴータのギムナジウムではカール・ハインリッヒ・グラウンとC.P.E.バッハの音楽に魅了され、とりわけC.P.E.バッハとはお互いに多大な影響を与えあい生涯にわたる親交を結びました。彼の60曲を超す鍵盤のためのソナタはどれもバロックから古典派への転換期らしいもので、整った様式とシンプルな和声で書かれています。
ファーブリはこれらの作品を作曲者の在世中に作られた「タンジェント・ピアノ」で演奏。木片(タンジェント)で下から弦を突き上げる構造を持つ、チェンバロからフォルテピアノへの過渡期に生まれた楽器が当時の響きを伝えます。
(ナクソス・ジャパン)
ベルンハルト・パスクィーニ(1673-1710):歌劇《イダルマ》 全3幕(3枚組)
アレッサンドロ ・デ・マルキ(指揮)インスブルック古楽音楽祭管弦楽団
オーストリアのチロル地方で開催される「インスブルック音楽祭」は、毎回珍しいバロック・オペラを上演することで知られています。2021年の音楽祭オープニングを飾ったのはイタリアの作曲家パスクィーニの歌劇《イダルマ》でした。パスクィーニは1650年半ばにローマでオルガニストとして活躍、40年以上も名家ボルゲーゼ家に仕えた後、1706年にはアルカディア・アカデミー(Accademia dell'Arcadia)に、コレッリやアレッサンドロ・スカルラッティとともに入会を認められるなど、当時高く評価された音楽家。この《イダルマ》は1680年の謝肉祭にカプラ二カ劇場で上演された作品で、17世紀の貴族の間で好まれていた「夫婦の貞節と揺るぎない愛」をテーマにした歌劇ですが、初演後まもなく忘れられてしまいました。
音楽祭の芸術監督を務める指揮者アレッサンドロ ・デ・マルキはこの350年近く歴史に埋もれていた作品を蘇演するために、チェリストで研究者ジョヴァンナ・バルバーティとともに、作曲者自身の手書き原稿に基づく新版を完成。ヘンデルを思わせる表現力に富んだ華麗なアリア、豊かな音色による壮大なアンサンブル、そして、絶えず変化する効果や劇的な状況を描き出した美しい音楽が楽しめます。
(ナクソス・ジャパン)
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カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2022年07月21日 00:00