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ポルトガルが生んだ名ピアニスト、アルトゥール・ピサロのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集!(3枚組)

ベートーヴェン

ポルトガルが生んだ名ピアニスト、アルトゥール・ピサロの
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集!

今やODRADEKの主軸アーティストである、ポルトガルが生んだ名ピアニスト、アルトゥール・ピサロ、そのピサロがベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を録音。これが近年では出色の出来栄え。アルトゥール・ピサロは1968年生まれ。1990年にリーズ国際ピアノ・コンクールで第1位となり、国際的に名を馳せた。録音は少なからずあるのだが、どういうわけか得意とするベートーヴェンの録音は散発的で、協奏曲は3番4番5番だけだった。ついに待望の全集が登場。ピサロの高度な技術と明晰な音色でピアノが一音一音クッキリと輝いている。表現は細部まで練りに練られていうるのだがしかし思慮と節度があり、常に音楽の素晴らしさが引き立つよう注意が払われている。どの曲においてもたっぷりと充足感の味わえる演奏だ。ちなみに第4番の有名な冒頭のピアノ独奏による主題提示で、ピサロはちょっとした仕掛けをしている。
ピサロのピアノに加えて、ジュリア・ジョーンズの指揮も素晴らしい。1961年、イングランド、ウスター近郊のドロイトウィッチ生まれの英国の中堅指揮者。2016年から2021年まで ヴッパータル交響楽団およびヴッパータル歌劇場の音楽総監督を務めた。この録音は任期末期の仕事で、ヴッパータル交響楽団がジョーンズの意をしっかり汲んで演奏していることが音だけでもよく分かる。キリリと引き締まって足取りが軽く、細部まで神経を通わせながら優しい愛を感じさせる音楽はこれまた素晴らしい。とりわけ5曲とも緩徐楽章での情感豊かな美しさが素晴らしい。
長めの余白に収録された小品もすばらしい。2曲のロマンスはピサロ自身がピアノ独奏用に編曲したもの。
ベートーヴェン好き、ピアノ協奏曲好きにぜひ聞いてもらいたい全集+αだ。
(東武商事)

『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集 + ピアノ小品集』
【曲目】
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」
ロマンス第1番 ト長調 Op.40(ピサロ編 独奏ピアノ)
ロマンス第2番 ヘ長調 Op.50(ピサロ編 独奏ピアノ)
アンダンテ ヘ長調「アンダンテ・ファヴォリ」WoO.57
ロンド ハ長調 Op.51-1
ロンド ト長調 Op.51-2

【演奏】
アルトゥール・ピサロ(ピアノ)
ジュリア・ジョーンズ(指揮)
ヴッパータル交響楽団

【録音】
2021年1月20,21,22,23日(Op.15,Op.19,Op.37) ドイツ ヴッパータル
2021年3月21,25,26日(Op.58,Op.73) ドイツ ヴッパータル
2021年8月10-12日 イタリア アブルッツォ州 モンテシルヴァーノ
DDD [201'17]

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2022年10月21日 00:00