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ヒメノ&ルクセンブルク・フィルによるプッチーニ:グローリア・ミサ&管弦楽作品集

プッチーニ

《ラ・ボエーム》の原点を観る
プッチーニ:交響的カプリッチョ

ヒメノ&ルクセンブルク・フィルの2022年録音盤は、オペラ作曲家プッチーニの、宗教作品および管弦楽(器楽)作品という注目の内容です。

プッチーニ(1858-1924)は、5 代にわたる教会音楽家一家の末裔でした。10 歳前後から聖歌隊員として活動、同時にヴァイオリン、ピアノ、オルガン、作曲などの教育を受けるようになります。そして14 歳の時には、教会オルガニスとして演奏していました。若い頃に作曲された宗教的な作品に、モテット、クレド、そして1880 年に作曲されたこのグローリア・ミサがあります。1876 年にヴェルディの《アイーダ》にふれてオペラに専念するようになった、と記述されることも多いですが、プッチーニの初期の業績が聖歌、室内楽、管弦楽曲であり、そのキャリアを通じて、頻繁ではないにしてもこれらのジャンルの作品を書き続けていたことを忘れてはなりません。ここには、オペラ以外の初期の作品で最も重要なものが厳選されて収録されております。スケルツォは、1881-83 年に書かれた弦楽四重奏曲の中のひとつの楽章です。

ディスク冒頭はグローリア・ミサですが、男声2つ(テノール、バリトン)をソロにもつ、オーケストラと合唱という大編成。非常にきらびやかな作品で、非常に重みのある作品。オペラではないのですが、やはり、声の扱いが素晴らしいことがよくわかります。そして声を支える管弦楽も表情豊かで充実。ヒメノ率いるルクセンブルク・フィルが懇親の力で演奏していることが感じられます。

《交響的カプリッチョ》は、ミラノ音楽院を卒業する際の最終試験のための楽曲。冒頭から壮大なオペラの序曲かはたまた映画の幕開けか、というドラマティックさで、さらにAllegro vivaceの部分は、10年後に作曲した《ラ・ボエーム》の序曲冒頭とまるっきり同じであることに驚かされます。

イタリアでは亡くなった人に《菊》の花を捧げる風習があり、この《菊≫(もともとは弦楽四重奏作品ですが、ここでは弦楽オーケストラで演奏)は、スペイン王(1870-73在位、イタリアのヴィットリオ・エマヌエーレ2世の次男)の死を悼むエレジー。非常にドラマティックな作品です。
(キングインターナショナル)

【曲目】
プッチーニ(1858-1924):
・4 声による管弦楽をともなうミサ(グローリア・ミサ)
〔I. キリエ II.グローリア III. クレド IV. サンクトゥス&ベネディクトゥス V. アニュス・デイ〕
・弦のためのスケルツォ SC 56
・交響的カプリッチョ SC 55
・《菊》~弦楽四重奏のためのエレジー SC 65

【演奏】
グスターボ・ヒメノ(指揮)
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
シャルル・カストロノーヴォ(テノール)
ルドヴィク・テジエ(バリトン)
オルフェオ・カタラ(合唱指揮:パブロ・ララス)

【録音】
2022年5月14日、6月29日、フィルハーモニー・ルクセンブルク、大ホール

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年04月21日 00:00