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梁美沙&アダム・ラルームによるプーランク、プロコフィエフ、ストラヴィンスキー、ドビュッシー:ヴァイオリン作品集

梁美沙&アダム・ラルーム

梁美沙とアダム・ラルーム
鬼気迫るプーランク
圧巻のドビュッシー
20世紀前半の珠玉の作品を集めた1枚

トリオ・レ・ゼスプリ以来の信頼関係で結ばれているヤン・ミサ(ヴァイオリン)と、アダム・ラルーム(ピアノ)によるデュオの登場。20世紀前半に生み出された、大作曲家たちの珠玉の作品が並びます。それぞれ当時のヴァイオリンの名手によって初演されたり、名手たちの助言を得ながら完成させたもので、作曲家たちとその周辺に生きた音楽家たちの生きた交流なども感じ取れる、興味深い内容です。

プーランクはヴァイオリンとピアノのためのソナタを1 曲しか書いていません。このソナタは、ジネット・ヌヴーとプーランク自身のピアノで初演されました。第1楽章は熱狂的なアレグロ・コン・フォーコ、第2 楽章はロルカの一説を引用した幻想的な間奏曲、終楽章は暴力的なまでに激しい曲想ですが、「ふたりでお茶を」の明確な引用が見られます。
プロコフィエフの5 つのメロディは、もともとは歌曲だったものをヴァイオリン奏者コハンスキの助言を得ながらヴァイオリンのために編曲したもので、今ではこの版のほうが演奏機会が多いといえるでしょう。ストラヴィンスキーも自作のいくつかを演奏旅行などで扱いやすいように、ヴァイオリンとピアノに編曲しており、その際には名手ドゥシュキンがいつも助言していました。
ディヴェルティメントはバレエ≪妖精のキス≫のヴァイオリンとピアノ編曲版。頻繁な拍子の変化など、ダンス的要素も色濃く残しつつ、原曲であるチャイコフスキー作品の世界もいろあせず感じられる名曲です。
そしてドビュッシーが生涯で最後に完成させた作品がヴァイオリン・ソナタ。ドビュッシーのピアノ、ガストン・プーレのヴァイオリンで初演されました。全体を通じてヤン・ミサの何かに憑かれたような、作品の世界にのめりこんだ鬼気迫る表現が印象にのこります。そしてラルームのピアノが変幻自在、ドビュッシーのソナタでの茫漠とした表情や切り裂くようなハーモニー、プーランクでのドライな音色など、好サポートが光ります。

大阪生まれ。パリ国立音楽院でシャルリエ、カントロフに師事。2000 年、若い音楽家のためのメニューイン国際コンクール第1 位。2001 年、仙台国際音楽コンクールで第3位および審査員特別賞を受賞。2009 年、室内楽(ピアノ三重奏)でマリア・カナルス国際コンクールで優勝を果たす。2004 年、アルデオ弦楽四重奏団の一員としてエコー・ライジング・スターに選出された。12歳でデビュー後、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、仙台フィル、東京交響楽団などと共演を重ねる。リサイタルも多く、室内楽の分野でもピアノ三重奏(トリオ・レ・ゼスプリ)で3枚〔MIR 241, MIR 322およびソニーから1枚〕、ヴァイオリンとピアノのデュオ〔MIR 420〕で1枚CDを出しており、いずれも高く評価されている。2022 年以降、フランス国立音楽院(パリCNSM)でオリヴィエ・シャルリエのクラスでアシスタント・プロフェッサーを務めている。
アダム・ラルームは1987 年トゥールーズ生まれ、2022 年にパリ国立音楽院でミシェル・ベロフに師事。コロリオフのもとでも研鑽を積む。2009 年クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝。2017 年ヴィクトワール・ド・ラ・ミュジークの器楽奏者部門を受賞。リサイタル、協奏曲、そして室内楽の分野で活躍している。ヤン・ミサとはトリオ・レ・ゼスプリでも共演を重ねている。
(キングインターナショナル)

【曲目】
・プーランク:ヴァイオリン・ソナタ FP.119(1943)
・プロコフィエフ:ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディ op.35bis(1921/1925 年編曲)
・ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント(1928/1932年編曲)
・ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(1917)

【演奏】
梁美沙(ヤン・ミサ)(ヴァイオリン)
アダム・ラルーム(ピアノ)

【録音】
2022年4月2-5日、ベルギー

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2023年07月19日 00:00