クラウス・メルテンス&トン・コープマン~J.S.バッハ:宗教歌曲集
旧知の仲コープマンとメルテンスの
あたたかな共演
リラックスした雰囲気でゆるりと歌われる
滋味豊かな音楽
古楽界の重鎮トン・コープマンと、親しい友であり共演者であるクラウス・メルテンスによるバッハの宗教歌曲集。『シェメッリ歌曲集』を中心に、『アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帖』からも数曲選び、またオルガン独奏曲も絡めて、各曲の調性や性格のつながりを考慮して全体を構成したアルバムです。
『シェメッリ歌曲集』はゲオルク・クリスティアン・シェメッリ(1680 頃-1762)がバッハの協力を得て発表した宗教歌曲集。旋律と通奏低音がきちんと楽譜として書かれているのは69 曲(BWV439-507)ありますが、バッハが自分で書き下ろした曲はBWV452、478、505 の3 曲のみで、他は既存の旋律にバッハが通奏低音を書き足したものとされています。どれも気の置けない者同士で演奏して楽しむような、家庭的で親密な楽曲。コープマンにとってはこれまでもPHILIPS(ペーター・シュライアー/1991 年)、TELDEC(クリストフ・プレガルディエン、クラウス・メルテンス/1999 年)、CHALLENGE CLASSICS(コンスタンティン・エマヌエル/2014 年[CC-72263])と折に触れて録音してきた作品であり、自家薬籠中のものと言わんばかりの自然体な伴奏です。1762年製のオルガンが放つあたたかで味わいある音色もすてき。メルテンスの歌唱も肩肘張らずリラックスしたもので、飽きの来ない物語を少しずつ語るように歌い進んでいきます。滋味豊かな音楽にゆるりと浸れるアルバム。
(キングインターナショナル)
【曲目】
J.S.バッハ:宗教歌曲集
コラール前奏曲『主なる神よ、いざ天のとびらを開きたまえ』 BWV1092 *
イエスよ、イエスよ、汝はわがもの BWV470
来たれ、魂らよ、この日は聖なる歌もて讃えられるべし BWV479
ああ、わが生涯を限る最期の時刻の BWV439
われは汝を拝しまつる、いと高きわが御神よ BWV449
コラール前奏曲『おお、神の小羊、罪なくして』 BWV1095 *
汝らこの世の知者は BWV443
イエスよ、汝の受けし愛の御傷の数々 BWV471
暗き墓穴より出て来たれ BWV480
おお愛しき魂よ、五感をば BWV494
神よ、われをみ旨のままに取り計らい給え BWV514
パストラーレ BWV590より ジーグ *
われはいかなる時にもイエスを愛しまつる BWV468
なくてはならぬものはただ一つ。ああ主よ、この一つ BWV453
われは信じて耐え忍び BWV466
ああ暗き夜よ、汝はいつ過ぎ去るや BWV492
満ちたりて心やすらかなれ BWV511
コラール前奏曲『天にましますわれらの父よ』 BWV683 *
神よ、汝の慈しみはいかに大いなるかな BWV462
いと尊き主イエスよ、かくも久しくいずこに留まりたもうや BWV484
わがイエスよ!いかばかりの魂の苦しみ BWV487
汝に、エホバよ、汝に向かいてわれは歌わん BWV452
いざ、いざ!いまや時は到りて BWV440
コラール前奏曲『愛する御神にすべてを委ねる者は』 BWV691 *
さらばわれ今は限りと願わん BWV502
われを忘るるなかれ BWV505
幸いなるかな!イエスを思いて BWV498
来たれ、甘しき死よ、来たれ、浄き安息よ BWV478
われはここ馬槽のかたえに立ち BWV469
カンツォーナ ニ短調 BWV588 *
(* =オルガン独奏)
【演奏】
クラウス・メルテンス(バス)
トン・コープマン(オルガン;1762年製)
【録音】
2023年3月、オランダ、オスターランド、ミヒャエル教会
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年09月12日 00:00