『激ロック』スペシャルコーナー【2月レコメンドアイテム】
DREAM THEATER / 『Parasomnia』
GENRE : PROGRESSIVE METAL
Mike Portnoy(Dr)復帰後第1弾!
深淵なる夢の続きをヘヴィ&ダークに描く最新アルバム!
創設メンバーでもあるドラマー Mike Portnoyの復帰後第1弾となる16thアルバムは、“パラソムニア”(睡眠時随伴症)がモチーフのヘヴィ&ダークなサウンドを根幹に据えた内容に。ドラム・フィルが高らかに帰還を告げるTrack.2を筆頭に、ジャジーなセクションも設けられたTrack.3、過去の曲名が歌詞にちりばめられたパワフルなメタリック・チューンのTrack.5等、Portnoy在籍時を彷彿させる瞬間を随所に含みながら、新鮮さも感じられるのが見事。近作で特に顕著だった美麗なメロディと、アグレッシヴなグルーヴが融合したTrack.8は、今のDTだからこそ生まれた楽曲と言える。円熟の域に達した5人が再びケミストリーを起こした充実作。
菅谷 透【ライター推薦】
SOFTSPOKEN / 『Martyr』
GENRE : POST-HARDCORE
来日ツアーが話題を呼んだポストハードコア・バンド、SOFTSPOKEN
信念込めたドラマチックな音像を描く、初の日本国内盤!
2024年には初の来日ツアーを開催し話題を呼んだSOFTSPOKEN。彼等の3rd EP『Martyr』は、前作のEP『Where The Heart Belongs』で確立した、ラウド且つドラマチックなサウンドをより洗練させた作品となった。ソフトなパートから力強い歌メロへと移行し、リスナーを惹き込む「TWYLAM」を皮切りに、キャッチーなメロディが光る「Invincible」、ラウド/ソフトを大胆にスイッチする「Throw Me Your Roses」、強力リフを叩きつける「Lovetok」等珠玉の楽曲を収録。日本国内盤にはボーナス・トラックとして、ファン投票で選ばれた上位3曲「Oblivion」、「Bones」、「Sleight Of Hand」のスタジオ・ライヴ音源も収められている。
菅谷 透【ライター推薦】
KILLSWITCH ENGAGE / 『This Consequence』
GENRE : METALCORE
怒りを力に変えた強靭なメタルコア!
約5年半ぶり9作目のアルバム完成!
オープナーの「Abandon Us」を聴いた瞬間から、リスナーの多くは“待った甲斐があった!”と思うのではないだろうか。メタルコア・シーン最重要バンドの1組であるKsEの約5年半ぶりとなる新作は、全編を通して強烈なエネルギーに満ちた内容に仕上がっている。不満や怒り、悲しみや喪失感といった感情を、ポジティヴなサウンドの「I Believe」や、デス・メタルに接近したアグレッシヴな「The Fall Of Us」等様々なトーンに昇華した楽曲はどれも強力。溌溂としたグルーヴを叩きつけるアンサンブルも素晴らしく、Jesse Leachのヴォーカルも攻撃的なだけでなく悲壮感や切迫感が伝わってくる。人々をインスパイアする気概に溢れた、渾身の一作。
菅谷 透【ライター推薦】
H.E.R.O. / 『Ghost Of You』
GENRE : LOUDROCK
北欧の躍動する美メロ・バンド
H.E.R.O.最新作!
ダイナミックな楽曲展開と良質なメロディで、グッとくるサウンドを提供するデンマーク発のラウドロック・バンド H.E.R.O.。そんな彼等の4thアルバムとなる今作は、パワフルな演奏と、繊細で緻密なアレンジが一曲一曲の満足度を高めているのはもちろんのこと、“あぁ、これは日本人が絶対好きなやつ”と思えるChristoffer Stjerneの激エモなヴォーカルが情感も表現力もさらに豊かにパワーアップしている。LINKIN PARK再始動や、ONE OK ROCKの世界的な活躍もあり、ラウドロック・シーンはまさに今群雄割拠の美メロ×ミクチャ―回帰時代。このH.E.R.O.の1枚も、その流れをさらに盛り上げる作品となるはず。
山本 真由【ライター推薦】
UUHAI / 『Human Herds』
GENRE : FOLK METAL
THE HUを輩出したモンゴリアン・メタル・シーンに
旋風を巻き起こす新たな刺客、UUHAIが待望の日本デビュー!
THE HUの成功に続けと言わんばかりに、雄大な緑の大地 モンゴルから新たに飛び出した7人組による日本デビュー作。彼等がこれまでにリリースしてきた楽曲を再構成/リマスタリングを施し、新曲も加えた全9曲は現時点での彼等の集大成と言っても過言ではないだろう。馬頭琴等、モンゴル伝統の民族楽器と喉歌、長歌と呼ばれる歌唱法をメタルと融合させた音楽性はTHE HUと同様ながら、どの楽曲にも“喝采”の意味を持つバンド名そのままにシンガロングできるフックが満載、モンゴル出身というバックグラウンドを持つ彼等ならではのドラマチックで重厚な音作り、卓越したソングライティング能力の高さは折り紙付き。非英語圏のメタルに興味がある人にもぜひ。
井上 光一【ライター推薦】
STICK TO YOUR GUNS / 『Keep Planting Flowers』
GENRE : HARDCORE
花を植え続ける=美しいものを育て、守りながら人生を歩むという信念を突き付ける
STICK TO YOUR GUNSの最新アルバム
タフでありながらキャッチーな音楽性と、芯の通った活動姿勢でシーンでも存在感を放つSTICK TO YOUR GUNS。レーベル移籍作となった最新アルバムでは、出世作『Diamond』や『Disobedient』を思わせる力強いサウンドに立ち返りつつ、さらにアップデートしたスタイルを提示。アンセミックなコーラスを配したTrack.2やTrack.5、ハードコアに振り切ったTrack.3がその好例だろう。バンドと親交のあるScott Vogel(TERROR)や、Connie Sgarbossa(SEEYOUSPACECOWBOY)がゲストVoで参加した後半の楽曲も強烈。花を植え続ける=美しいものを育て、守りながら人生を歩むという信念を突き付ける力作だ。
菅谷 透【ライター推薦】
THECITYISOURS / 『Will You Still Love Me?』
GENRE : MELODIC METALCORE, POP
メロディックなメタルコアにポップのエッセンスを組み込むTHECITYISOURS
幅広いリスナーを惹き付けるであろう魅力を持った3rdアルバム
これまでもメロディックなメタルコアにポップのエッセンスを組み込んだユニークな作品を発表してきた、UK出身のTHECITYISOURS。Vo交代を経た3rdアルバムでは、より大胆な方向性でそのアプローチを強めている。メタル化したFALL OUT BOYのようなTrack.2を筆頭に、シンセ・ウェーヴ調のサウンドとサックス・ソロがインパクト大のTrack.8、トライバルなビートに強烈なブレイクダウンを合わせたTrack.9等、格段に自由度を高めたアレンジが秀逸。こうしたバラエティ豊かな作風だからこそ、OPとEDに配置されたストレートな楽曲も良さが光っている。メタルコア/ポストハードコアのリスナー以外も惹き付けるであろう魅力を持ったアルバム。
菅谷 透【ライター推薦】
UNTIL I WAKE / 『Renovate』
GENRE : POST-HARDCORE
ラッパーとしての活動歴もある新Voの幅広い表現力を生かした
NY出身のバンド UNTIL I WAKEの2ndアルバム
デビュー・アルバムの前作『Inside My Head』で注目を集めたNY出身のバンド、UNTIL I WAKEの2ndアルバム。新VoのJaali Cypherを迎えた本作では、ラッパーとしての活動歴もある彼の幅広い表現力を生かしたサウンドを展開。エモーショナルでありつつヘヴィでラウドな直球のポストハードコアはもちろん、ラップをフィーチャーしたインダストリアル/ニューメタルや、ドリーミーでメロディックなナンバー等、さらに多彩となった音楽性でバンドとしての変革と成長を見せている。なお本作リリース後に前VoのCody Jamisonの復帰とJaaliの脱退が発表されているが、次作ではどのようなスタイルを選ぶのか引き続き注目したい。
菅谷 透【ライター推薦】
THE HELLACOPTERS / 『Overdriver』
GENRE : GARAGE ROCK, GLAM PUNK, HARD ROCK
スウェーデンが誇るベテラン暴走ロックンローラー THE HELLACOPTERS
今も成長し続けていることを如実に示す復帰作第2弾
スウェーデンが誇るベテラン暴走ロックンローラーたちによる復帰作第2弾が到着! 2022年に再結成作となる『Eyes Of Oblivion』をリリースしたことも記憶に新しいが、本作はTHE HELLACOPTERSが今も成長し続けていることを如実に示す快作である。トレードマークの痛快なロックンロールはもちろん、ソウルフルなTrack.3「(I Don't Wanna Be) Just A Memory」やブルージーな香り漂うTrack.10「The Stench」といった楽曲も素晴らしく、キャリアを経た落ち着きのなかにも根底にあるロックンロール・スピリットは健在だ。人生の酸いも甘いも噛み分ける、甘さに流されすぎない哀愁のメロディに思わず男泣きである。
井上 光一【ライター推薦】
BLACKTOOTHED / 『Headway』
GENRE : METALCORE, POST-HARDCORE
ジャンルを横断するハイブリッドな音楽性を自分たちのサウンドへ落とし込む
ドイツ産トリオ BLACKTOOTHEDの通算3枚目
モダンなメタルコアやポストハードコアといったジャンルを基調として、ジャンルを横断するハイブリッドな音楽性を自分たちのサウンドへと落とし込む、ドイツ産トリオ BLACKTOOTHEDによる最新作。通算3枚目となる本作においても、ヘヴィなグルーヴを生み出すリフや80年代風のダイナミックなギター・ソロ、大胆に鳴り響くシンセ、ブレイクダウン(!)といった要素を絶妙なバランス感覚でキャッチーな楽曲へと仕上げる巧みな手腕は健在だ。これだけ音楽のスタイルが多様化した現在だからこそ、磨き上げられたソングライティング能力の高さに裏打ちされた高品質な楽曲群そのものが彼等の誇るべき個性であり、大きな武器と言えるだろう。
井上 光一【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリー・マガジン、ポータル・サイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライヴ・イベント、24年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷/新宿/下北沢に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」、また渋谷にあるロック・ファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営等、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティヴ集団である。
タグ : PUNK/EMO ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2025年02月20日 10:17