いよいよ大阪万博開幕へ!じつはとんでもなく長かった「万博」の歴史
4月13日から184日間にわたり、大阪の夢洲で開催される大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、さまざまな展示がおこなわれる予定だ。開催を目前に控え、各地で公式キャラクター「ミャクミャク」を目にする機会も増えてきた。一方で、そもそも万博とは何なのかわからない人もいるのではないか。
●万博のルーツは紀元前までさかのぼる!?
「万博」とは万国博覧会の略称で、国際博覧会条約という国際条約に基づいて開催されるイベントのこと。紀元前のエジプトやペルシャで、国王即位祝典行事として芸術品や衣類が民衆に披露されたことが、博覧会の起源という説がある。つまり博覧会の歴史は、オリンピックよりも古いといえるだろう。
また、近代博覧会の原型といわれているのが、1475年にロンドンで開催された「フランス物産展」。さらに1851年に「第1回ロンドン万国博覧会」が開催され、いよいよ万博としての歴史が幕を開けることになる。
当時の日本は嘉永4年で、ペリー来航の2年前。日本が初めて万博に出展したのは1867年の「第2回パリ万博」からだが、この頃は万博が一種のブームになっており、1年のうちに2~3カ所で開催されることもあったという。1928年に国際博覧会条約が署名され、以降は条約を基準に、秩序と「テーマ」を持った万博が開催されるようになった。
日本人にとって最も印象深いのは、やはり1970年に開催された大阪万博だろう。「月の石」や「人間洗濯機」など近未来を思わせる展示物が話題となり、6,400万人を超える来場者数を記録した。
日本国内ではこれまでに、沖縄の「海洋博覧会」や筑波の「科学技術博覧会」も含めて計5回の万博が開催されている。今回6度目の万博となる大阪・関西万博だが、実は懸念点も。開催まで40日時点で多くのパビリオンが建設途中で、会場となる夢洲の跡地利用についても明確な目途が立っていないという。
社会学者の古市憲寿も、自著「昭和100年」の中で大阪・関西万博の懸念要素に触れている。1990年以降に万博が開催された、セビリア、ハノーファー、ミラノを訪れ、各万博の歴史や開催跡地の現状を綴っている古市。万博開催時こそ賑わいはあったものの、今や閑散としている各地の状況を見て、跡地利用計画の重要性を語っている。
目前に迫った大阪・関西万博は、日本での万博としては入場者数2,200万人超を記録した「愛・地球博」以来。開催される日を楽しみにしたい。
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大阪万博といえば岡本太郎
タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年03月20日 00:00