Ciara
華々しいデビューも、その後に用意されたステップも、彼女にとっては序章にすぎなかった……驚くべきスピードで進化を遂げたシアラから目が離せない!
自分を信じられるようになった
「私自身をもっと知ってもらいたかった。アルバムのタイトルを『Ciara : The Evolution』にしたのも、アーティストとして、パフォーマーとしての私の成長を見てほしいって思ったからよ。今回は作曲や共同プロデュースなどいろいろなことに挑戦してるの。私の新たなチャレンジを楽しんでほしいし、それがファンのみんなを勇気づけられるといいなと思う」。
2004年のデビュー当時は、まだまだ少女のあどけなさが残っていたシアラ。この2年の間にこれほどまで〈大人の女〉に成長するなんて誰も思っていなかったかもしれない。ぶっちゃけた話、〈物凄い大物になるか、1枚で終わるか〉なんて話も囁かれていたのが事実だ。それがどうよ! セクシーで、なおかつ自立した女性に成長したシアラは、パフォーマーとしても自分の得意とするところを前面に出し、〈これが私!〉と堂々と自信を持って主張できるまでになったのだ。
「今回のレコーディングでは、前よりも自分自身を受け入れられるようになったわ。人生のあらゆる面において、自分に自信を持てるということはとても助けになるのよ。〈私なら必ずできる〉って自分を信じることで、レコーディングもスムースに進むし、困難も乗り越えられるって思えるようになる。とにかく楽しむように心掛けたの。音楽はやっぱり楽しめなきゃ! そういう気持ちはレコーディングが進むにつれてどんどん強くなっていったわ。人間は誰でもどこか自信が持てない部分があると思うけど、そういう弱い部分もひっくるめて〈自分〉なんだから、そんな自分を愛してあげなきゃ。人生は長い旅だから、イヤなことがあってもいつか絶対に光が見えるはず。その旅を楽しめるかどうかは、すべて自分の気持ち次第よ」。
本当に彼女らしい発言だ。15歳から高校だけは絶対に卒業することを両親に約束し、学業と音楽をきちんと両立させながらプロをめざしてきた彼女は、デビュー当時から自分にとても厳しい女の子だった。それでなくてもキレイなのに、「思いどおりに踊れるよう、身体を引き締めなきゃ」と、きちんと食事を採りながらも自分の身体に合ったダイエットを貫いてみたり、クラブに行く機会があっても、翌朝にジムへ行くため、そしてその後の仕事をちゃんとこなせるよう、休める時には休んでいたり。とにかく完璧主義で自分に厳しくありながらも、実はその過程を凄く楽しんでいた。まるで〈本当の自分〉を必死で見つけ出そうとするかのように。そんな彼女だからこそ、短期間でここまで大きく成長できたのだろう。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2007年01月11日 19:00
更新: 2007年01月11日 20:57
ソース: 『bounce』 283号(2006/12/25)
文/Kana Muramatsu