インタビュー

2006年を代表するプロデューサー、ポロウ・ダ・ドンのキャリアを駆け足で検証!!

 豪華制作陣が並ぶ『Ciara : The Evolution』からの先行曲にポロウ・ダ・ドン製の“Promise”が選ばれたことは、いまもっとも〈旬〉なプロデューサーが誰なのかを改めて世に示すこととなった。そもそもポロウは、ジム・クロウというアトランタ産ラップ・グループのMCとしてシーンにお目見えしている。グループはインディーで傑作『Right Quick』(2001年)を発表した後、シングル“Holla At Playa”(2002年)でメジャー復帰を果たすも、アルバムはお蔵入りに。同曲のリミックスも手掛けたポロウが本格的なトラック制作に踏み出したのはそれからだ。

 最初期の仕事としてギャングスタ・ブーの“Posted @ Bar”やマイア“Fallen(Zone 4 Remix)”を残す彼の名を一躍知らしめたのは、リュダクリスのヒット曲“Pimpin' All Over The World”(2004年)だろう。ロン・フェア(A&M~ゲフィンの社長)に目を掛けられてか、翌2005年にはウィル・スミス“Party Starter”の制作に抜擢され、キーシャ・コール“Superstar”とプッシーキャット・ドールズ“Buttons”をロンと共同プロデュース。ジェイミー・フォックスの“DJ Play A Love Song”を経て、先述の“Buttons”が年跨ぎのヒットを続けるなかで登場したのが、ファーギーの特大スマッシュ“London Bridge”となる。彼女のアルバムではもう1曲“Glamorous”を制作しており、これは“Promise”の原型ともいえるプリンス感たっぷりな名曲だった。ケリス“Blindfold Me”やマリオ“Crying Out For Me”でもその勢いは衰えず、ヒップホップ方面では旧知のリュダクリスやフィールド・モブ、ジブスらの近作で活躍……そんな飛躍の年を締め括るのが今回のシアラ仕事というわけである。ソロ作も控えているこの才人の動きには2007年も大注目なのだ!


ジム・クロウの99年作『Crow's Nest』(Noontime/Epic)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年01月11日 19:00

更新: 2007年01月11日 20:57

ソース: 『bounce』 283号(2006/12/25)

文/出嶌 孝次

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