インタビュー

M.I.A.の音世界とシンクロする、世界のビート・ミュージックあれこれ その1

1. M.I.A. 『Arular』 XL(2005) 母の名を冠した『Kala』に対し、このファースト・アルバムが父親のコードネームから取ったというのは知られた話。ケイヴメンやディプロのプロデュースぶりは騒がれたが、A・ブルッカーの名前でスウィッチも参加していたとは!

2. MISSY ELLIOTT 『The Cookbook』 Gold Mind/Atlantic(2005) デビューから間もないM.I.A.を海の向こうで発見したのは、憧れの人でもあるミッシーだった。ヴァイブス・カーテルも交えたグリッティーな“Bad Man”は本作のUK盤/日本盤に収録されている。

3. TIMBALAND 『Shock Value』 Mosley/Interscope(2007) 大物アーティストが並ぶなか、M.I.A.は“Come Around”にダカダンダカダンと登場して異彩を放った。今回の『Kala』にも再収録。

4. NUMP 『The Nump Yard』 Bay Luv/RUSH!(2006) 同じアジア系という縁もあったのか、US西海岸のベイエリアで活躍するハイフィーの重要人物ともM.I.A.はマッチアップ! 本作の日本盤にのみボーナス収録された“I Gott Grapes Rmx”ではE-40やフェデレーションを向こうに回し、ド頭からスパイシーなフロウをかましてくれる。

5. BONDE DO ROLE 『With Lasers』 Mad Decent/Domino(2007) ディプロがブラジルからフックアップしたバイリ・ファンキ集団の初作で、M.I.A.にも通じるフリーキーなリズム歌謡が満載。ディプロの取り持つ縁でM.I.A.とツアーを共にしたこともある。

6. SURKIN 『Action Replay』 KLEE アグレッシヴなエレクトロ・ビート職人として、フレンチ新世代の筆頭に挙げられるサーキン。プロモ・オンリーながらM.I.A.の“Sunshower”をリミックスしたことも。

7. DJ C 『Sonic Weapons』 Wimm(2007) 今作では〈グライムホール〉を標榜して独特の重たいレゲエ・トラックを披露するブレイクコア系のDJ。M.I.A.“U.R.A.Q.T.”のリミックス経験も糧となったか?

8. AARON LACRATE 『feat. AMANDA BLANK Blow EP』 Milkcrate(2006) ボルティモアの大物によるEP。ここでマイクを握るアマンダ嬢はスパンク・ロックやプラスティック・リトルと親しいフィリーのMCで、M.I.A.との共演曲“Take It Easy”も発表している。

9. NELLY FURTADO 『Loose』 Mosley/Interscope(2006) ティンバランド祭りに先鞭を付けた名作。アイデアを転用された(?)M.I.A.的にはおもしろくないはずだが、「有名なプロデューサーに影響を与えるような存在になれて、自分でも誇りに思っているわ」と大人な発言。

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掲載: 2007年08月16日 11:00

更新: 2007年08月30日 18:05

ソース: 『bounce』 289号(2007/7/25)

文/出嶌 孝次