Hi-Fi CAMP(3)
〈あの頃〉を振り返ることは僕らの大切なテーマのひとつ
――なるほど。ライヴについてはどうですか? 曲作りを先行させたとは言え、どこかのタイミングでライヴのスタイルを確立しなくちゃいけない時期があったと思うんですが。
SOYA「そうなんですよ。ただ、〈早くライヴをやりたい〉って言い出すメンバーが誰もいなかった(笑)」
AIBA「そうなんだよね」
SOYA「曲もスタジオじゃなくてパソコンで作ることが多いから、誰かの部屋に集まって全員がパチパチパチパチやってるんですよ。そのうち会話もメールになっていって……」
AIBA「(笑)」
SOYA「ライヴについては、それこそ結果的にデビューした後で考えることになって」
AIBA「最初のツアーはキマグレンさんと回らせてもらったんですけど(2008年秋に行われた2マン・ツアー〈キマグレCAMP〉)、そこで初めて本腰を入れてライヴに取り組んだんです。曲順や演出を含めて、メンバーみんなで作り込みました」
SOYA「ライヴの必要性、楽しさが実感できました」
AIBA「ちょっと遅いけどね(笑)」
SOYA「最初の頃はサポート・メンバーに入ってもらうことも考えていたんです。でもいまは、〈やっぱり、4人だけでやりたい〉って思うようになってきました」
AIBA「〈ブカツの天使〉という番組の企画で全国各地の高校でライヴをやらせてもらってるんですけど、その経験も大きいです。高校生のパワーってすごいんですよ。ライヴに対するレスポンスもはっきりしてるし、僕らも〈もっと楽しませたい〉っていう気持ちが自然に生まれてくるんです」
SOYA「体育館でライヴを観るなんて、めったにない機会ですから。そこでみんなの思い出に残るようなライヴをやりたいって思ってるんです」
――ライヴを重ねることで、楽曲にも変化があったんじゃないですか?
SOYA「うん、それはすごくあります。ライヴが増えると、〈聴いてくれる人にもっと想いを届けるためには?〉ということをすごく考えるんです。特に歌詞が変わってきてると思います」
――シングルとしてリリースされた“だから一歩前へ踏み出して”はストレートな応援ソングだし、アルバムには卒業をテーマにした“仰げば尊し”というタイトルの曲もありますね。〈青春〉はひとつのキーワードになってますか?
SOYA「そうですね。中学、高校生の頃って、いちばん熱い時期だと思うんです。リアルタイムの人はいまの感覚で聴いてもらえると思うし、それより上の年代の人だったら、〈あの頃〉を振り返ることで、もうちょっとがんばってみようって気持ちになってくれたら嬉しいなって。僕らの大切なテーマのひとつにはなってると思います」
――よく〈聴き手の背中を押してあげられるような曲〉という言い方をしますが、そういう部分も意識してますか?
SOYA「聴いてる人に何かを感じてほしい、っていう思いは強いです。僕自身も音楽に救われた経験が何度もあるので」
――“SENDAISTA”という曲も印象的でした。
SOYA「仙台を歌った曲は、やっぱりアルバムに入れたかったんですよね。〈夏の間に飾る短冊/冬の町並みに木は/Light Up〉っていう歌詞があるんですけど、これ、〈七夕まつり〉と〈光のページェント〉のことなんですよ。仙台の2大イヴェントを入れました」
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