インタビュー

ハンバートハンバート(3)

掲載: 2009年09月09日 18:00

更新: 2009年09月09日 18:23

“かごめかごめ”とかのちょっと怖い感覚が好き

──狙って書くと上手くいかないタイプですか。

佐藤「狙っては作れないですね。本当にできないんですよ。もうちょっと自分はできるタイプだと思ったんですけど。基本的には〈できちゃった〉って感じです」

佐野「でも、歌詞は推敲するよね」

佐藤「そうだね。歌詞の推敲はすごくします。前はそんなにしなかったけど」

──推敲して研ぎ澄ませていくポイントは何なんですか?

佐藤「〈何か違うんじゃないか〉と思うから直すんですけど、その何かっていうのは……何なんでしょうね」

──すごく感覚的なものなんでしょうね。

佐藤「そうです。自分のしっくりくることこそが正しいと思っているので、それを頼りに、〈ちょっと違うんじゃないかな?〉とか思いながら直していく感じです。曲を作ってる時は毎回、名曲だと思ってるんですけど……うーん。ここらで一発いきたいですね」

──でも、ここ最近、なんだかんだで注目を集めていますよね。鈴木慶一(ムーンライダース)、岸田繁(くるり)、峯田和伸(銀杏BOYZ)といった錚々たる面々に絶賛されていたり、映画やCMで曲が使われることも増えているし。

佐藤「これもひとえに僕らの忍耐と努力の賜物ですかね(笑)。11年もバンドを続けてると、それなりにいいこともあるんじゃないでしょうか。確かに最近は前よりいいことが増えましたね」

佐野「うん。すごい増えた気がする」

──これから、さらに増えていくんじゃないですか。

佐藤「増えるといいですね。いや、増やすつもりで、はい(笑)」

佐野「頑張ります!」

──今回リリースされたCD+DVD作品『合唱』では、スコットランドのケルト音楽バンド、フィドラーズ・ビドと共演していますが、彼らとは過去に何度かライヴで共演しているんですよね。

佐野「はい。メンバーがソロで来日したときも含めて3回くらいいっしょにやってますね」

──彼らとは最初から意気投合した感じですか?

佐藤「徐々にですね。なにしろ外国人なんで、最初は緊張しました」

佐野「会う前に私たちのCDを聴いていてくれて、特にメンバーのなかの一人がいたく気に入ってくれたんですね。それで仲良くなることができて」

──今回の作品には彼らと共演したライヴ(2008年11月9日 @ 渋谷Club Quattro)の模様を収録したDVDも同梱されていますが、共演する前からいっしょにレコーディングすることは決まっていたんですよね。

佐藤「来日する時に合わせて、何曲かいっしょにレコーディングしようって話をすでにしていて。それで事前に曲を渡しておいて、彼らにもアレンジを考えてもらって」

──レコーディングはどんな感じで進んでいったんですか?

佐藤「前日にリハーサルをして、〈こんな感じでどう?〉って。すごくアバウトでしたね。レコーディングで、彼らに伝えたのは曲のなかの波みたいなものですかね。1曲をどういう雰囲気で演奏するのか、どこが膨らむところで、どういうところに力を入れるのか、とか」

──佐藤さんがディレクションしてる風景もDVDに収録されていますよね。

佐藤「はい(笑)。拙い英語ながらこちらの意図を伝えました」

──今回の作品には“妙なる調べ”“待ち合わせ”“波羅密”という3曲が収録されているんですけれど、どの曲もそれぞれタイプが違って、ハンバートハンバートというバンドの魅力がギュッと凝縮されているような印象を受けました。

佐藤「良かった~。自分でもそういうものになっていると思うんで、そういうふうにおっしゃっていただけると嬉しいですね」

──個人的には3曲目の“波羅密”が好きです。英国のトラッドと日本の童謡が絶妙に混ざり合ったような曲で、これぞまさにハンバートハンバートの専売特許というか。

佐藤「ありがとうございます」

──〈観音さま〉とか〈座ってくだせえ〉とか、言葉選びのセンスも独特ですよね。

佐藤「そういうのは言葉遊びみたいなものだと思うんですね。もともと童話や童謡が好きなんで、そういうものからの影響もあるかもしれないです」

佐野「私も童話や童謡は好きです。例えば“かごめかごめ”とか、ちょっと怖いじゃないですか。ふたりとも、そういう感覚が好きなんです」