ハンバートハンバート(4)
掲載: 2009年09月09日 18:00
更新: 2009年09月09日 18:23
やるからには、ちゃんと自分のものにしないと人前で歌う意味がない

──佐藤さんが歌詞を書く上でルーツになっているようなものは他に何かありますか?
佐藤「本ですかね。僕は本を読むのがとても好きなので」
──ちなみに好きな作家は?
佐藤「車谷長吉さんの小説が好きです」
──車谷長吉さんって、どんな作風なんですか?
佐藤「私小説です。暗くて、気が重くなるような感じの作風で。ハッピーな要素はまったくないです……でも、そういう世界が好きなのは僕の個人的な趣味だから、ハンバートハンバートの音楽とは、まったく関係ないですね」
佐野「関係なくはないと思うけど(笑)。どこかしら繋がってるんじゃない?」
佐藤「そうかな(笑)。でも、聴いた人を暗い気分にはさせたくないです。僕らの音楽を聴いて楽しんでほしいです。そういう意味でもポップな音楽を作りたいですね。」
佐野「最近、良成はよくオールディーズを聴いてるよね」
佐藤「そうそう。いま、僕はあらゆる音楽のなかで、いちばんオールディーズが好きなんですよ。50~60年代のポップスが持っている、あの空気感が僕は大好きなんですね」
──ハンバートハンバートでは、それを自分たちなりの感覚で表現しているっていう。
佐藤「そうですね。そこは非常にめざしているところです」

──カントリーやトラッドの要素が入っていたりするから、ハンバートハンバートって、ルーツ回帰的なことをやっているバンドのように見られてしまうこともあると思うんですけど、めざしているのは、間違いなくそういうところではないわけですよね。
佐藤「はい。もちろん伝統的な音楽は好きなんですけど、古い音楽をそのままやろうとしているわけではないんです。でも、カントリーやトラッドという借り物の音楽を使って自分なりのポップスを作ろうと思っているのは事実なんで、借り物を適当に採り入れたような感じになるのは絶対に避けたいなとは思っていますね」
佐野「借りるにしても、いい加減に借りるのはよくないということですね」
佐藤「適当に採り入れるのってすごく恥ずかしいですから」
──海外の曲を日本語でカヴァーしているのも、そういうこだわりがあるからですか。
佐藤「そうです。いい感じの曲をいい感じに演奏していい感じのムードでカヴァーしましたっていうのは、わざわざやらなくてもいいことだと思うので。やるからには、ちゃんと自分のものにしないと人前で歌う意味がないですから」
──佐藤さんは最近、ギター&ドラムスの2人組バンド、グッバイマイラブのメンバーとしても精力的な活動を展開していますが、ラウドな音を鳴らすグッバイマイラブをやることによって、自分のなかでバランスが取れているようなところはありますか。
佐藤「すごくあると思います。いままでは、ハンバートハンバートっぽくない曲が出来ちゃった時に、無理矢理ハンバート・アレンジで演奏するようなことがあったんですけど、そういう曲をグッバイマイラブで演奏できるようになったんですごく楽になりました」
──今後、ハンバートハンバートのニュー・アルバムの予定は?
佐藤「だいぶ曲が出来てきたんで、内容を詰めてレコーディングに臨めたらいいなと思います」
──現時点で、どんな感じになりそうですか。
佐藤「どんな感じ? ……最近作った曲が入ります」
──そういうことじゃなくて(笑)。例えば前はわりとバンドっぽいアプローチの曲が多かったですよね。
佐藤「ああ、そういうことですか(笑)。いま、いっしょにやってるバンド・メンバーとレコーディングするんで、そういう意味ではバンドっぽくなると思います。でも、毎回やり方は同じなんですよ。前回の失敗を踏まえつつ、自分たちなりに〈経て〉きたものを作品に反映させるっていう」
──ちなみにリリースの時期は?
佐藤「来年かな。来年には出せればいいですね……いや、出します(笑)」
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