cro-magnon
ジャクソン5から山下達郎まで……誰もが認めるスタンダード・ナンバーを、日本屈指のダンス・ジャム・バンドがチルアウト・カヴァー! メロウ・グルーヴに包み込まれたアルバム『cro-magnon plays』が出来上がるまでをメンバー3人が語る。
レイドバックしたものを作ろうと
――今回のカヴァー・アルバム『cro-magnon plays』はどういう経緯で制作されることになったんですか?
コスガツヨシ(ギター/ヴォーカル)「前回(2008年作『Mellow Out & Acoustic』)の第2弾という感じで。前のやつ自体は企画モノだったんですけど、やってみたらおもしろくて」
大竹重寿(ドラムス)「前から〈シリーズ化しよう〉っていう話はあったし、2週間ぐらいで作っちゃおうっていうノリだったんだけど、いざやってみたらけっこうタイトなスケジュールになっちゃって(笑)。最後の2日間なんて特訓みたいになってたからね。〈もう1曲行くぞ!〉〈オオーッ!〉みたいな感じで(笑)」
――じゃあ、制作期間は短期間だった?
コスガ「うん、けっこう短かったですね。『4U』をリリースしてから作りはじめたんで。選曲はその前からちょいちょいやってたんですけど」
――〈チルアウト〉っていうイメージは最初からあったんですか。
コスガ「そうですね。『Mellow Out & Acoustic』から続くイメージは最初からあったので、レイドバックした、家聴きできるものを作ろうとは思ってましたね」
大竹「とにかくさ、ロックでもラテンでもブラジルでもいいんだけど、いろんな〈cro-magnon plays〉シリーズを出していきたいと思ってて。昔の人だってさ、例えばグランド・グリーンとかラムゼイ・ルイスみたいな人がポップスとかを〈インド編〉としてやってたでしょ。そういう感じでやっていきたいんだよね」
コスガ「その一方で、前の“Black Mahogani”(『Mellow Out & Acoustic』にも収録されていたムーディマンのカヴァー)みたいに現場っぽいものも作りたいし」
――じゃあ、オリジナル・アルバムとは別モノとして考えてる?
コスガ「そうですね」
大竹「でも、しょうがないよね、そういうバンドなんだから(笑)。これはこれで楽しいし、需要もあるようだし、両方やっていきたいと思ってて」
――カヴァーの場合はどうやってアレンジしていくんですか?
コスガ「とりあえずやってみて〈ここは少し長いな〉とか、それぐらい。アレンジしたのは “ダンサー”ぐらいで、他の曲は基本的にそのまんまですからね。昔のアーティストがアルバムに1曲カヴァーを入れるようなノリで」
大竹「とにかくね、原曲がいいんだよ。例えば(ジャクソン5の)“I Want You Back”とかも、いざ演奏してみるとおもしろいキメがあったりして勉強になるんだよね」
コスガ「カヴァーしてみて初めてわかる構成のおもしろさというかね」
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