cro-magnon(2)
大ネタとは思ってない
――選曲はどうやって?
大竹「周囲のDJにも相談してたんですけど、結局俺たちが選んだ曲だけをやることになりましたね」
金子巧(キーボード)「いろいろやってみたんですけど、やってみてハマんないものもあるんですよ」
大竹「そうそう。で、ハマったものがここに入ってるっていう」
――ある種の大ネタというか、有名曲が並んでる感じですよね。
大竹「そうだね。でも、大ネタと感じる人にとっては大ネタなんだろうけど、cro-magnonのファンのなかにもロイ・エアーズが誰か知らない人もいるわけでね。だから、俺は大ネタとは思ってなくて。ここに入ってる曲を知らない人だって普通にいると思うんだよ。ただ、最近はライヴでも一瞬“I Want You Back”をやったりもするんだけど、そうすると、みんなすごく喜んでくれる。演奏しててもパワーが出てくるというか、単純にいい曲なんだよ」
金子「cro-magnonの曲はワンコードで引っ張るものが多いけど、この曲はどんどんコードが変わっていくからやってて楽しいんですよ」
――クラブでもイントロが鳴った瞬間に手が上がっちゃうというか。
大竹「みんなそうみたいなんだよね(笑)。演奏してても本当に楽しいしね」
――ここに入ってる曲は昔から演奏してた曲が多いんですか?
コスガ「そうですね。(フレディ・ハバードの)“Red Clay”なんかはこれでループを組んでラッパーに乗ってもらったこともあるし。でも、その時ともリズムの解釈が変わってると思いますね」
大竹「音楽をやってるとさ、過去に聴いてた曲が違って聴こえてくる部分もあってね。ハタチの時の聴き方と違ってきてるというか」
――だからこそ、ジャクソン5をいま改めて新鮮にカヴァーできる?
大竹「そうそう。そういうなかでどんな新しいものができるんだろう?っていうのが(オリジナル・)アルバム。で、これは純粋なカヴァー・アルバム、そうこうことだね。ファンクにしてもジャズにしても、ずっと演奏されてきてるナンバーってあるじゃない? ミュージシャンは、そういう曲を持っていたほうがいいと思うんだよね。〈あの曲やろうぜ〉って言って、誰とでもすぐできる曲。そういう曲のなかにもヒントがあるわけだから」
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