ロング・レヴュー:isis 『D-HOLIC + C-SONIC』 MAVERICK
独自のメロディーセンスを持っているユニットは強い。シンプルな言葉とサウンドで、〈胸に沁みる歌〉をリスナーに届けることができるのだから――。そんなことを改めて実感させるのが、福岡を拠点に活動する2人組のポップス・グループ=isisの音楽だ。
彼らの最新ミニ・アルバム『D-HOLIC + C-SONIC』には、日本語の響きを大切にした情感豊かな楽曲が計7曲収録されている。季節感をうまく歌詞に採り入れながら、isisの二人は、日々のなかで生まれる喜びや悲しみの感情を次々と〈歌〉にしていく。その核にあるのは、切なくも美しいメロディーの数々だ。とはいえ、サウンド的には決して和モノ志向というわけではない。R&Bのフレイヴァーを纏わせたアレンジは洗練されており、最新のポップスとしての完成度も十分だ。
地元の福岡ではこれまでに3度のワンマン・ライヴを行い、毎回500人以上の観客を集めたという彼ら。D-High-LoWとCu-Taの2人は、福岡の FM局でパーソナリティーを務める人気者でもある。いわば地元密着型の活動姿勢を貫いてきた彼らだが、今回の『D-HOLIC + C-SONIC』を機に、いよいよ全国区の人気を獲得しそうだ。
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