インタビュー

LONG REVIEW――GO!GO!7188 『Go!!GO!GO!Go!!』

 

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〈Go!! GO!GO! Go!!〉と力の限りにコールする群衆。そこにメンバーが姿を現すと、湧き上がる大歓声! そしてギターのフィードバック・ノイズから一転、“エオエオエ”のストーンズ調のリフが繰り出され、会場では轟音と熱気が渦を巻く……という感じで始まるニュー・アルバム『Go!!GO!GO!Go!!』。もちろんライヴ盤ではないので疑似ライヴ音源なわけだが、これはライヴにその表現活動の醍醐味を見い出してきたGO!GO!7188ならではの〈最高のスタジオ盤ができたよ!〉という宣言なのかもしれない。つまり、ライヴでの熱量に直結するような演奏の充実ぶりに加えて、音盤ならではの楽しみや遊び(冒頭なんてまさに!)がギュギュッと詰まっているのだ。

あくまでもサラッと仕上げられたような、しかし、しっかりとキャッチーなフックを搭載した楽曲。無駄な力が入っていない分、力強さがナチュラルに伝わってくるような演奏も、とても風通しが良くなっていて、初心に帰ったような印象すらある。きっとレーベル移籍などの環境の変化も作用したのだろう。

内容に関して言えば、〈GO!GO!印〉のGS歌謡ロックはもちろん健在だが、曲によってはディレイやリヴァーヴなどのエフェクトを大胆に掛けたりと、ヒネリも加えている。そもそも音楽的なバックグラウンドの広い3人だが、今回はそれがよりわかりやすく出てきているようだ。疾走する16ビートがカッコ良いパンキッシュな“まやかしの世界”や、中華風味のリフがユニークな“今日の歌”のほか、寓話的な詞と重く幻想的なサウンドが新鮮なワルツ調や、テンポがころころ変わるGO!GO!流プログレもあったり。3人の心・技・体のバランスが取れた、会心の一作と言えそうだ。

 

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掲載: 2010年06月02日 19:01

更新: 2010年06月02日 20:34

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