INTERVIEW(1)――もとからごちゃまぜだった
もとからごちゃまぜだった
――まずはご自身の音楽遍歴から教えてもらえますか?
「中学生の時にヒップホップとかテクノが好きになったんですね。(ヒップホップは)サンプリングがおもしろいなって思ったのがポイントとして大きくて。バンド・ブームとかのあとだったから、その〈非音楽〉感というか、そうやって人の音楽をつぎはぎして曲作っちゃっていいんだっていうところにインパクトを感じました」
――ヒップホップは他の音楽への入り口にもなったそうですね。
「その頃のヒップホップっていまよりサンプリングが強かったし、レア・グルーヴも流行ってたんで、サンプリングのネタものとしてブラック・ミュージックを聴くようになって。そこからさらに逸脱して、全然ヒップホップとかブラック・ミュージックとは関係ない文脈のものまで勝手に聴いてって、いろんなものを好きになった感じです」
――じゃあ自分のベースにある音楽となると……。
「もとからごちゃまぜだったっていうか。バンドも当時のローファイみたいなやつとかS.O.B、BOREDOMSも好きだったし、何がベースかって言われるとわかんないです。でも、やっぱレゲエやヒップホップ、テクノ、ハウスっていうようなダンス・ミュージックだったり、リズムを中心としたコード展開の少ない音楽が自分のベースですかね」
――ご自身で音楽を始めるまでにはどういった経緯があったんですか?
「たまたま友達と練習スタジオで音出して遊んでたらなんとなくバンドになったとか、ウチにたまたまパソコンがあったから〈これで音、録れんじゃん〉って気付いてループさせてみたりとか。だから何かやってやるぞとか思ったかどうかは覚えてないんです……っていうか、たぶん思ってない。なんなんすかね、流れというかノリというか、そんな感じです」
――DJもやっぱりそうした流れから始めたんですか?
「90年代にはDJブームがあったから、本当は興味もあったと思うんですけど、〈なんか、やんのも恥ずかしいな〉みたいな感覚があって、DJは逆に遅かったんですよね。あと単に機材を揃えるお金もなかったっていうのもあるのかも。それがハタチすぎて人に誘われたりしてやるようになって」
――以来DJも曲作りも続けてきて、表現する側としての気持ちに変化はあります?
「ノリとしてはいまも似たような感じですけどね。さすがにもう自分が楽しければいいってだけでやってるわけでもないですけど」
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