INTERVIEW(1)――自然とセッションするように
自然とセッションするように
——結成が2008年って聞いたんですが、いきなり同年に〈サマソニ〉出演とかバンドとしてかなり早いスピードでここまで来ていますよね? 結成の経緯を教えていただけますか?
Rei Mastrogiovanni(ヴォーカル/ベース)「元々は僕がソロ活動をやっていて、Konnieたちがライヴのバック・バンドをやっていたんですよ」
Konnie(サンプラー/ヴォーカル/プログラミング/ミキシング/プロデューシング)「元々の出会いは僕が恵比寿MILKでライヴをやっている時に彼がガンガン踊ってたところからなんですよね。彼のファースト・アルバムの頃ってあんまりいっしょにやる雰囲気ではなかったんですけど、セカンドになると馬が合いそうな雰囲気が出てきて、ツアーをいっしょに回るなかで、自然とセッションするようになっていったんです。それでバンドでやらないかっていう感じでしたね」
——NEON GRAVITYの音楽ってかなりごちゃ混ぜで混沌としていると思うんですが、それぞれの音楽のバックボーンってどのあたりにあるんでしょうか?
Rei「僕にとっていちばんでかいのはフィッシュボーンですね。もうダントツ。ライヴをみてもパフォーマンスにおいても、ベーシストの(ジョン・)ノーウッド(・フィッシャー)のプレイにしても、アンジェロ(・クリストファー・ムーア)のパフォーマンスにしてもそう。スカだけじゃなくてパンクっぽいところもあるし、黒人やからこそできる独特の重いグルーヴとか、自分らしかできんサウンドをミックスするところとか全部〈すっげー!〉ってなりましたよね。それからはスカ・パンク全般を掘り下げてました。その前はお父さんが結構ジャズ好きだったり、生まれたときから家では常にジャズとかマイケル・ジャクソンとか、レイ・チャールズとかがかかってて、いま思えば歌心のある曲を聴いていましたね」
Konnie「Rei君はすごいピュアなスカ・ファンだよね」
Rei「高校がアメリカのオレゴンだったんですけど、友達にトースターっていうNYのバンドの音源を借りて聴いた瞬間、〈うわ、なんやこれ、めちゃめちゃ格好いい!〉って思ったんですよ。ジャズのバンドをやってたからホーンが入るのもすごい気持ちよかったし、何よりダンス。スカダンス最高だしポジティヴなんですよ。だから性格とも合ったかもしれないです」
—— Konnie君はどうですか?
Konnie「直接いまやってるのに影響してるっていうのは、青春時代のワープとかモ・ワックスとかあのへんのブレイクビーツ、ヒップホップ、テクノ、トリップホップみたいな音楽ですね。マッシヴ・アタックとかDJ KRUSH、スクエアプッシャーとか」
—— ……明るいRei君とは真逆じゃないっすか(笑)。
Konnie「そうですね。僕は結構彼とはまたちょっと逆で、性格暗そうなやつが鬱になってきちゃうような」
——救いがなさすぎる(笑)!
Konnie「まあ、そうなんですけど、テクスチャーとしてはかなり洗練されていてそこに衝撃を受けたし、それはいまやってることに直結していると思いますね。DJフード、コールドカット、あのへんのザワザワ感みたいなものがベースになっています。だからRei君とはもう全然違うんですよ。ただ、僕はプリンスの大ファンでもあるんで、踊れてかつポップな感じとか、ごちゃまぜで何でもありな感じは音楽的にも手法的にも、作り手として相当影響されてると思います」
——ちなみにYoshimitsu “4432”(ギター/コーラス)さんとアビコ(ドラムス、パーカッション/スクリーム)さんも聴いているのは大体そのへんだったりするんですか?
Konnie「や、Yoshimitsuさんとかはギターの鳴ってるロックですね。マイケル・シェンカー」
——え? ハードロックなんだ!?
Konnie「あとヨ・ラ・テンゴとか、ポスト・ロックや音響的な感じの匂いのするインディー・ロックとかも好きなんですよ。ただ基本は〈マーシャル3台乗せてます〉的な感じ(笑)。あとアビコ君は多分ジプシー・キングスとかが好きです。ああいうラテンぽい、パーカッションが鳴ってる音楽が好きですね。あと、アフロビートっぽいものとか。ただ、僕がフェラ・クティをすすめて見たら、〈フェラ・クティって何?〉って言われたので、どこまで好きなのかは謎なんですけど(笑)」
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