INTERVIEW(4)――噴火前の火山みたいな感覚
噴火前の火山みたいな感覚
――カップリングの“Vision”はドラムンベースっぽいデジタルなビートを持つヘヴィー・ロックという感じですけれども。この曲はどういうふうに出来ていったんでしょうか?
愁「これは僕がデモを作ったものを、スタジオで作っていきましたね。というのも、基本的に僕らは共通のMacの音楽ソフトを持っていて。大体自宅のPC内でやっちゃうんですよ。家で録ったものをそれぞれの家で編曲する。でもこの曲はほぼ初めてと言っていいほど、スタジオで最初から最後までアレンジした。時間はかなりかかったんですけど、ここ最近でいちばんバンド感を出せた曲だと思います」
――“Endless wing”はどうですか?
愁「これは王道的な最新のギルガメッシュの曲なのかなって思います。デジタルな面もありつつ、Aメロではテクニカルな要素もあって。サビも開けていて。この3曲はどれもメインにできるくらい悩んだ曲ですね」
――では、いま、ギルガメッシュというバンドを客観的に見て、どういうところが音楽としての強みだと思いますか?
左迅「やっぱり一つのジャンルに囚われない曲をやっているんで。沢山の人に聴いてもらえる曲だというのはあるし。新しいものが生まれると思いますね。“COLOR”から“イノチノキ”を出して、一人でも多くの人に音楽を聴いてもらいたいという意識がすごくあって、これだけ歌で持っていくというスタンスをとっているんで。ヴィジュアル系だからとか、そういう好き嫌いをせずに聴いてほしいですね。気になったら聴いてほしい」
愁「“イノチノキ”にはすごく手応えを感じてるんです。自分たちでも新しいことをやっている感覚もあるし、変わるときなんだという感覚もある。おもしろい時期だと思うんです。感情が上手く表せないような状況にいるような感じもするし。より多くの人に聴いてもらいたいし。単純にいい曲を追求して作ってきたんですよ。それがポップであるということ。そこに尽きますかね。高校生から組んでるバンドなんで、〈売れたい〉という思いは隠さずにある。より多くの人に聴いてもらいたいという。拒まず聴いてもらいたいと思いますね」
――この先、バンドはどういう方向に進んでいく予感がありますか?
愁「いまは変化の時期だと思っているんですよ。過去の4作で、ヘヴィーかつデジタルな方向性はやり尽くした感覚がある。その先が見えるのかどうかまだ自分たちでもわからないんですけど、新しく変わっていく感覚がある。噴火前の火山みたいな、何か起こりそうだなっていう感覚がありますね」
左迅「いまは曲作り期間で、作品を出すたびに新しいことをやっていこうというのが自分たちの飽くなき欲求なんで。“イノチノキ”の3曲を作って、まだいけるという思いが芽生えたんです。個々のスキルを高めて、もう一段階ステップアップするために何を見つけるかというのをみんなで模索中なんで。それを見つけたら一気に爆発すると思います。その爆発を楽しみにしてほしいですね」
――そして、10月からはまたツアーが始まります。ライヴのステージのなかで生まれていく変化もあるんじゃないかと思いますけれど。
愁「そうですね。ライヴをやるにしても、いままでにない手応えを感じるんですよ。どうなるのか、僕たちもすごく楽しみですね」
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