インタビュー

LONG REVIEW――ギルガメッシュ 『イノチノキ』

 

ギルガメッシュ_J170

アルバム『NOW』で、LUNA SEAとTHE MAD CAPSULE MARKETSが正面衝突したようなデジタル・ハードコアを展開したギルガメッシュ。ヴォーカルも楽器の一部のような位置付けで、全員がひとつの塊と化したサウンドで猛進するそのスタイルは、超ハイペースなライヴ活動で叩き上げた演奏力を持つ彼らにとって非常に効果的だったと思う。ゆえに先日のシングル“COLOR”で見せた、メロディーを前面に立てて演奏を抑えた作風は新しい挑戦だったのだろうし、彼らがバンドとして新しい季節を迎えた表れでもあるのだろう。そしてここに到着したシングル“イノチノキ”は、その〈歌を聴かせるモード〉をさらに推し進めている。メランコリックなピアノとイーヴン・キックが先導するダンス・ビートに乗せた、哀愁漂うメロディー。そして何より、メリハリというか起承転結を強く意識したアレンジと構成で、歌詞の物語性をグッと強調している。歌を聴かせて情景を浮かばせる、まさにドラマティックな仕上がりだ。

カップリングの高速ブレイクビーツに乗せたメタリックな“Vision”は、随所に仕掛けられたブレイクがスリリングなライヴ向きのナンバー。そして通常盤のみもう1曲“Endless wing”が収録されており(初回盤には今夏のツアー・ドキュメントを収めたDVD付き)、こちらは重厚なリフと跳ねたビートのダンス・ナンバー。『NOW』で聴けたラップ調のヴォーカルもフィーチャーされている。

 

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掲載: 2010年09月29日 18:00

更新: 2010年09月29日 19:33

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