インタビュー

TARO SOUL 『So Much Soul』

 

TARO SOUL_特集カバー

 

Da.Me. RECORDSからのデビュー~数多くのフィーチャリングを経て、メジャーにその舞台を移して活動の続くTARO SOUL。アルバム『SOUL SPIRAL』から約2年ぶりにようやく発表となるミニ・アルバム『So Much Soul』の制作にあたり、彼は自分の音楽を見つめ直した。メロディーやフロウにまかせて曲を引き込んできた曲作りのスタイルも、みずからをトラックに寄り添わせていくものへと変化している。彼にとって過渡期ともいうべき現時点での試行錯誤は、いち音楽、いちアーティストとして成長していくために彼が必要としたことだった。

 

 

説明が要らない音楽

 

――メジャーでの初リリースから約2年を数えるわけだけど、音楽に向かう気持ちに変化はある?

「いままでだったら現場が全然重ならないアーティストの人といっしょになったりして、そういう客層の場所でライヴするようになってからは、自分のミュージシャンとしての意識はだいぶ変わったかなあと思う」

――受ける刺激も大きかったんだ。

「自分のライヴのやり方にもすごく反映されましたね。逆に、ヒップホップのライヴでこういう部分どうなんだろうなって思うこともすごくあって。例えばメソッド・マンが自分のヴァース来るまでステージの後ろのほうで寝てるとか、それはそれでクレイジーな感じが大好きだったりもしたけど、〈ナシだろ〉とか(笑)。それは極端な例ですけど、ステージやお客さんとの向き合い方についても、いろんな考え方とかスタンスを見ていくことで学ぶこともすごくあって」

――それは大きな変化だろうね。

「前ってアマチュアのBボーイとプロのラッパーの境界線があんまないような世界だった気がすごくする。だけど、いまはいろんなラッパーの人たちとの同業者意識はありながらも、全然違うフィールドでやってるミュージシャンにも負けたくねえっていう意識も芽生えて。それに、もしかしたら、昔はずっとヒップホップのこと考えてないとBボーイじゃなくなっちゃうんじゃないかなっていう変な恐怖感があったのかもしれない。ホントはそんなことないんですけどね」

――そこで当然、自分の音楽を考え直すこともあったわけでしょ?

「ありましたね。特にそれが強くなったのが前の『SOUL SPIRAL』を出して以降。自分の思うヒップホップなりソウル・ミュージックなり、TARO SOULの魅力を最大限に出しながらも、〈これがヒップホップだから〉とか説明が要らない音楽をどう作っていけるかみたいなところはすごく考えてた」

 

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掲載: 2010年12月15日 17:59

インタヴュー・文/一ノ木裕之