INTERVIEW(4)――ボーダレスな音楽
ボーダレスな音楽
――今回アルバムを作って、いまの時点で自分たちの音楽が向かう先はどうイメージしてますか?
エリー「向かう先もどんどん変わっていく気はしますね。次のアルバムも」
コージロー「ボーダレスな音楽をやりたいという気持ちは大きいですね。特にジャンルは特定しなくて、その時々の世界のタイムラインを見ながら、自分たちで〈もうちょっとその先を行こうぜ〉っていうのを試行錯誤していくというか。それで、自分たちなりの波を起こしていきたいと思っています」
――個人的な感触だと、北欧の音楽ともリンクする感じもするんですよね。ロイクソップ以降のちょっとユーモラスだったりファンタスティックだったりするエレクトロニック・ミュージックと近い感覚もある。
エリー「それは嬉しいですね。私も北欧の音楽は好きで、よく聴いてるんですけれど。でも、沖縄の音楽にも繋がる感じもあって。私は沖縄出身で、コージローは北海道で、ハイオカは横浜出身なんですけど、いろんなところにリンクする感じがするんですよ。みんなから、郷愁が滲み出ている感じもあって。それが、1人で全部作ってるわけじゃなくて、3人で作っているということの醍醐味だと思うし」
コージロー「自分の育った環境のアイデンティティーは、やっぱり音楽に出るんですよね。というのは、たとえば黒人の音楽が好きでやってみようと思っても、絶対できないんですよ。黒人の音楽をいつのまにか自分なりに消化しちゃうから。でも、そのことがすごくおもしろいと思っていて。この3人は、出身地がバラバラだということもあって、そこでもいろんな感覚がある。おもしろい立ち位置だと思いますね」
――では、最後に。アルバムを、聴き手の人にはどんなふうに楽しんでもらいたいと思います?
エリー「裸で聴くといいと思います(笑)」
ハイオカ「それ、わざわざ女の子が言うかな(笑)」
エリー「『SKIN』ってタイトルの通り、自分たちも一つ一つ吟味して、素肌っぽく出した作品なので。だから、素肌で聴くと気持ちいいと思います(笑)」
コージロー「僕は、目をつぶって聴いてみてほしいですね。自分の感覚で聴いてほしい。先入観なく、冷静に分析するんじゃなくて、感覚的に聴いてほしい。作り手としても、感覚的に作ったものだから」
ハイオカ「ライヴにもぜひ来てほしいですね。アルバムが『SKIN』だとしたら、ライヴはその肌を触れ合わせるような感じがあると思うんで。そうしたら、もっと心を通い合わせることができるんじゃないかと思います」