□□□ 『CD』
[ interview ]
2009年にいとうせいこうが加入し、3人組となった□□□は、その活動をさらにフレキシブルに展開しながら、既存の音楽表現を軽く飛び越えた誰も見たことない場所でポップな戦いを繰り広げている。1年3か月ぶりとなるニュー・アルバム『CD』は、□□□が〈文字〉と〈言葉〉に真正面から向き合った作品に仕上がった。
〈1+1=〉はもうごめんだ!
──せいこうさんが加入してからの□□□は、UstreamとTwitterを連動させてライヴの生中継をやったり、そのライヴ自体もいわゆる〈音楽ライヴ〉の域を超えたような構成になっていたりと、常に新しいことに挑戦してるような印象を受けるんですが。
いとう「とにかくこの二人が普通のことしたくないって思ってるから(笑)。僕としては、最初は〈よしバンドに入った! ライヴやるんだ!〉って意気込みだったけど、〈普通のライヴはしたくない〉って言われて、〈あ、そうか……〉と(笑)。ライヴというよりもステージと言うしかないようなものを次々と思い付く人たちがいて、どうしたらその無理難題が実現できるんだろう?って考えるのがおもしろいんだよね」
村田シゲ「俺は、他のバンドやセッションでいわゆるライヴ的なことを、二人よりはたくさんやってるんですよ。だから同じことをやってもしょうがないってのは、いちばん思ってるかもしれないですね。俺は別でベース弾いてるから、ここで弾く必要もないじゃんって」
いとう「もうひとり、伊藤ガビンというほぼ□□□と言っていい人物がいて。ヴィジュアル面全般を担当してくれるんだけど、彼が率いるチームと、ほとんどラボ状態になってるよね。ただ曲を作って出すってだけには、絶対にしないっていう。誰でもやることはやめようよっていう意思は、みんな強いよね」
三浦康嗣「僕自体がもう、音楽のライヴをそんなに観てないんで。一昨年ぐらいから演劇とかそういう方面の人たちと関わることが多くて。だから、音楽のライヴの観方の約束ごとみたいなのをやめようっていうのは、前回の御披露目会(アルバムのリリース記念ライヴ)あたりから実践してみてはいるんですけど、ただ、毎回手探りなんでね。舞台監督は舞台監督で、音楽専門の人だから、なんでこういうことやるの?って疑問に思うところを、ひとつひとつ説明していったり。そういうのもおもしろいんですけどね」
いとう「〈ここで暗転したいんです〉〈なんで音楽のライヴで暗転しなきゃいけない。演奏できないじゃないか〉〈いや、ここは演劇的なモメントを作りたいから暗転したいんで〉とかね(笑)」
三浦「舞台監督とシゲがバトったりね。〈意味なんかねえんだよ!〉って(笑)。だけど、そういう意味のないことを、わかんないなあってアタマを悩ませながら、それでもこうかもしれないって考えてやっていくうちに、いつの間にか不思議な仕上がりのものになっていく……っていうスタイルじゃないですかね?」
いとう「〈1+1=〉はもうごめんだ!っていうことですよ」
シゲ「アルバムのタイトル、それにすれば良かった!」