藍坊主 『the very best of aobozu』
[ interview ]
結成10周年を通過し、新たなフェイズに突入した藍坊主が初のベスト盤『the very best of aobozu』を発表する。〈青春パンク〉と呼ばれたシーンから登場したものの、作品を重ねるごとに音楽的/精神的な変化を繰り返してきた彼ら。2枚の銀盤に30曲を収録した本作には、そんなバンドの軌跡がしっかりと刻み込まれている。
同日にはニュー・シングル“星のすみか”もリリースし、来週5月6日には初の日本武道館公演〈the very best of aobozu〉も控えている4人。ベスト盤の内容を中心にしながら、藍坊主の〈これまで〉と〈これから〉をたっぷりと語ってもらった。
藍坊主はどんなバンドなのか?
――初のベスト・アルバムとなるわけですが、2枚組で30曲と、かなりのヴォリュームですね。
田中ユウイチ(ギター)「藍坊主はどんなバンドなのか?って考えたときに、表現の仕方がその時期で違ってたりするじゃないですか。それをちゃんと伝えようと思ったら、30曲必要だったっていう」
――選曲や曲順を含めて、新しい作品としても楽しめますね。
渡辺拓郎(ドラムス)「それはもう、主にユウイチが」
田中「はい(笑)。ビートルズの〈赤盤〉〈青盤〉みたいに時代ごとに区切るっていうアイデアもあったんですよ、最初は。でも、全部シャッフルして〈こういう並びで聴いたら、おもしろい〉っていう曲順にすることで、ひとつの作品として提示できるんじゃないかなって。もともと好きなんですよ。ライヴのセットリストもけっこう俺が考えてるし、小学校のときにサザンのベスト盤を勝手に作って、友達に聴かせたりしてたんで」
hozzy(ヴォーカル)「うちのDJですね(笑)。Disc-1のアタマ3曲も俺が考えてたのとまったくいっしょだったし、入れたい曲もほとんど同じで。それをおいしい感じで並べてくれたっていう」
藤森真一(ベース)「ベストっていうと〈わかりやすい曲ばかり〉っていう印象もあるけど、それも含めつつ、藍坊主のいろんなところが見える作品になってるので。あと、確かにライヴのセットリストっぽいんですよね」
渡辺「そうだね。〈各アルバムから何曲ずつ〉とかは考えてなかったんですけど、結果的に(すべてのアルバムから)まんべんなく収録されてて。なるべくしてこうなったって感じですね」