INTERVIEW(4)――ものすごいエネルギーが込められたものを作りたい
ものすごいエネルギーが込められたものを作りたい
――(笑)『フォレストーン』から『ミズカネ』(2010年リリースの5枚目のアルバム)に至るときも、かなり変化があったと思うんですが。
hozzy「ありましたね! 『フォレストーン』の手応えって、実はよくわからなかったんですよ。ジャケットの絵も自分で描いてるんだけど、いま見てみると何とも言えない迷いがあるような感じがして」
渡辺「ふーん」
hozzy「いや、すげえ一生懸命描いたし、いまも家に飾ってあるんだけどね。でも、結局よくわからなくて、ツアーもボロボロになりながら終わって、そのあとに“マザー”を書いて――そこで一気に変わりましたね。音楽の土台を破壊して、分解してきたんだけど、すべてを一瞬で肯定してくれるのもやっぱり音楽なんだなって。その後は、ヘンなこと考えないで作るようになりましたね。もうね、楽しもうと思って」
――すべて必要なプロセスだったんでしょうね。ベスト・アルバムと同時にリリースされるシングル“星のすみか”も、まさにスタンダードになっていきそうな曲だし。
hozzy「そうですね。しっかり時間をかけて作ったし」
――これからはこういうタイプの楽曲が増えていくんでしょうか?
hozzy「いや、ならないでしょう(笑)」
田中「もうひと波乱あるような気がするんだよな、俺も」
hozzy「聴いて〈難しいな〉って思われちゃうような音楽はもうイヤなんですけど、〈何かわかんないけど、すごいな〉ってものを作りたいと思ってるので、本当は。藤森もいま、すごい曲数を抱えてるんですよ。いっぱいありますよ、変態なものからイイ曲まで」
藤森「本当は100曲作って、それをギュッと凝縮しながら、すごいもの1曲作れればいいんだけど、そういうものでもないじゃないですか。だから、いろんなタイプの曲を作って、一個一個に向き合いながら、より高いところに――高いところというか、〈いい曲だね〉ってところじゃないところに行きたいんですよね。〈いい人ですね、さようなら〉っていうのはイヤなので。どんな曲でもいいんですけど、ものすごいエネルギーが込められたものを作りたいです」
hozzy「同感です!」
――なるほど。考えてみれば、これだけ変化を重ねながら10年以上活動を続けてきて、まだ20代ですからねぇ。
田中「ハハハハハ! でも、そうなんですよね。3世代分くらいやった気がするというか。いま28歳なので――どうしよう、あと2年」
hozzy「30歳でロックをやってるって、どういう気分なんだろう?って、最近よく思うんですよね」
田中「たぶん、変わらないと思うけどね」
――まずは5月6日の日本武道館ライヴですよね。
田中「そうですね。最近、いろんなバンドの日本武道館のライヴDVDを観てるんですよ。チャットモンチーとTHE BACK HORNとGOING UNDERGROUNDなんですけど、それを観てるうちに、やっと〈ホントにやるんだ〉って気になってきました」
渡辺「俺、4月25日に武道館でミスター・ビッグを観ようと思ってて(取材を行ったのは4月中旬)。高校のときの憧れのバンドだから、〈同じ場所に立つんだ〉って思ったら、〈あ、ヤベッ〉って(笑)。憧れてちゃいけないですけどね。ブッ飛ばすくらいの勢いでやらないと」
藤森「まだ〈楽しみ〉まではいってないですね。当日までに、そこまで持っていきたいと思ってます」
hozzy「セットリストを考えてるんですけど、なかなかおもしろそうな感じになりそうで。新たに挑戦することもあるし、あとはそれをやり遂げる精神力が自分にあるかっていう(笑)。でも、達成できたら、きっと得るものがあると思うんですよね」