インタビュー

INTERVIEW(4)――集大成と出発点がひとつに

 

集大成と出発点がひとつに

 

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――葉月さんは、デス声、シャウト、スクリーム、地声にファルセット、いろんな歌声を使い分けているわけですけれども。こういう歌い方をするようになったのは、どういう理由があるんでしょうか?

葉月「全部が好きですからね。低いデス声も、高いシャウトも、綺麗なファルセットも、全部やりたい。欲張りだという(笑)」

――歌詞についても、日本語詞と英語詞のコントラストがありますよね。日本語と英語の使い分けも、それぞれメロディーに呼ばれて決まるような?

葉月「まさにそうなんです。ギターの音色と同じで、日本語が合わないから英語だという。それだけですね。英語は苦手なので、あんまり使いたくないんですけどね(笑)。日本語が合わないところはどうしても出てくるんですよ」

――では、メンバー皆さんに訊きたいんですけれども。完成したアルバムのなかで、それぞれ思い入れの強い楽曲はどれでしょう?

晁直「“SCARLET”かな。これは録る前日にアレンジを考えた曲なんです。前日にメロディーを作って、その夜にドラムを考えて、次の日に録音した。大変だったけど、いい思い出かなって感じですね」

悠介「僕は“THIS COMA”ですね。lynch.史上もっともシンプルなデモから作った曲で。上モノはすべてメンバーに任された。最初はどうしたらいいか見えない部分も結構ありましたけど、最終的にメロディーが乗って完成形を聴いたときに、すごくいい曲が出来たと思った。満足いったし、このアルバムのなかでいちばん好きな曲ですね」

明徳「去年lynch.に加入して、レコーディングに参加して最初に録った曲が“I BELIEVE IN ME”だったんです。この曲で、ひとつの曲が完成していく一部始終を最初に見れた。今回の思い入れのある曲でもあるし、これからの制作にあたって、自分の軸ができた曲ですね」

玲央「僕は“BEFORE YOU KNOW IT”。これは静かな曲なんですけれど、特殊な作り方をしていて。同じフレーズのループなんですよ。そこにギター・ソロが欲しいと葉月から急遽言われて、その場でアコギのフレーズを入れた。そういう直感的な思い付きはすごく大事だと思うんで、バンドとして一段階上に上がってきたのかなという自信にも繋がるという。だからいちばん思い入れがある曲です」

葉月「実は今回、メロディーが全然出来なかったんです。それで本当に困ったんですけど、いちばん困ったのが“UNTIL I DIE”で。最初に曲は出来たはずなのに、歌ったらまったく印象が違ってダメだということで、結局歌録りが最後になってしまった。ミックスの最終段階まで歌録りを何度もやり直したんで、終わったときには心からホッとしたという(笑)。今回のレコーディングを象徴した曲ですね」

――わかりました。では最後に。5年後の自分から振り返って、こういう内容のメジャー・デビュー作を完成させたいまのlynch.は、どういう位置にいると思いますか?

葉月「僕は、ここで第一部完結であってほしいですね。バンドを始めてからいままでめざしてきたものが、1回ここで出来上がったと思いたいです。集大成と出発点がひとつになっている感じですね」

 

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年05月25日 18:01

更新: 2011年05月26日 14:03

インタヴュー・文/柴 那典

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