ねごと 『メルシールーe.p.』
[ interview ]
ファースト・フル・アルバム『ex Negoto』のリリースもいよいよ間近に迫ってきたガールズ・バンド、ねごと。一躍ブレイクを果たすきっかけとなった“カロン”に続いて発表されるシングル『メルシールーe.p.』は、バンドの真価と目覚ましい成長を見せる一枚だ。
暗い闇から眩しい光のなかへと一気に広がっていくような曲展開、情熱をストレートに伝えるメロディーと、よりスケールの広がった彼女たちのポテンシャルを示す表題曲“メルシールー”。骨太なバンド・サウンドとセンティメンタルな歌声が印象的な“ビーサイド”に、ユーモラスな“ランデブー”。そしてSEKAI NO OWARIのギタリスト、中島真一が初のリミックスに挑戦した“カロン(中島真一 from SEKAI NO OWARI remix)”と計4曲を収録。
限定生産の本作は、アルバムの世界観を垣間見せる〈コンセプト・シングル〉として仕上がったという。新作について、そしてバンドの〈いま〉について、4人に話を訊いた。
アルバムへの入り口
――前作の“カロン”は、リリースされたことで状況も変わったし、いろんな意味でバンドにとって突破口になった曲だと思うんです。あの曲が出て、ねごとというバンドはどんなふうに変わってきた感じがありますか?
沙田瑞紀(ギター)「バンドとして何かガラっと変わったことは特にないんですけど」
蒼山幸子(ヴォーカル/キーボード)「友達が着うたをダウンロードしてくれたり、CMを見たよって言ってくれたりはしましたね。あとは、最近、ねごとのコピーをやってくれてるバンドさんがいるって聞いたり。知られてきてるんだなって感覚は持つようになりました」
――ねごとのコピー・バンドが現れるって、夢見てたことの一つじゃないですか?
蒼山「そうなんです」
澤村小夜子(ドラムス)「嬉しいですね!」
――“カロン”がねごとにとってのポップな側面を見せるとしたら、新曲の“メルシールー”はライヴ・バンドとしての一面を見せる曲でもあると思うんですけれど。まずこれは、前からあった曲ですか?
蒼山「いや、最近ですね。ほぼアルバムと同時に録ってた曲です。アルバムの曲が全部出来たのは2月で、作りはじめたのは去年の9月からなんですけど。最初はシングルとして出す予定はなくて、新しい曲のなかの1曲というつもりで作りはじめた曲で。なんですけど、出来上がった時にすごくいい曲に出来上がっていて。他にももう1曲シングル候補の明るい曲調の曲があったんですけど、“カロン”を出して、いまこのタイミングで出したいのが“メルシールー”だという思いがみんなにあったんで、出しました」
――アルバムの全曲が揃っていたということは、アルバムを予感させるようなシングルにしたいという意識もあった?
蒼山「そうですね。コンセプト・シングルという名前にしているのも、アルバムから“メルシールー”と“ビーサイド”という2曲が入っていて。アルバムへの入り口というのもあるからなんです。今回は限定生産でもあるし、9月からの全国ツアーの先行予約案内も入っているので、このシングルを買ってくれた人にツアーで会いたいなという気持ちもあって」
――どういうところがアルバムの入り口になる感じなんでしょう?
蒼山「“カロン”は人に聴いてもらうための曲にしたいと思って作った曲で。あれだけ大々的に知ってもらって、すごく嬉しいことだったんですけど。このタイミングで“メルシールー”を出せばビックリさせられるんじゃないかなって。こういう面も自分たちの音楽のなかの一つの面だから。でも知らない人はたくさんいると思うんで。すごくバンド的な曲だけど、“カロン”とは違うキャッチーさがある。そこは曲の良さを信じてます」
――ライヴ映えしそうな曲ですよね。
沙田「オケができた時点でも、〈早くライヴでやりたいね〉って。ただ、ライヴでやったら楽しいだろうなっていうのにプラスして、すごくいいメロディーがついたんで、それが何より良かったですね。演奏の良さがまず前面に出るのかなって最初は思ってたんですけど、それにプラスしてメロディーの良さも強みになった。だから、ライヴ・バンドとしての面を見せたいというより、たくさんの人に聴いてもらいたいという思いがありました」
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