YUKALI 『IF THIS IS LOVE』
[ interview ]
一連の安室奈美恵作品を手掛けて名を挙げたNao’ymtのプロデュース・プロジェクト=Nao'ymt WIT'へ早々に参加し、“We Can’t Back”を歌唱。また、日本のR&B好きならチェックしているであろうCHiE(Foxxi misQ)とEMI MARIAをフィーチャーしたDJ KOMORI“FLASH”(2008年)のソングライティングや、AAAの浦田直也によるソロ作『TURN OVER』(2009年)への客演をはじめ、これまでに数々の注目作品に楽曲提供やコーラスで参加し、腕を磨いてきたYUKALIが、待望のファースト・ミニ・アルバム『IF THIS IS LOVE』を完成させた。本作は、持ち味の澄んだヴォーカルと、エレガントでキラキラしたメロディーに溢れた逸品。彼女が放つアーバンな色香とグルーヴに酔いしれること、請け合いだ。
きっかけは失恋!?
——まずはYUKALIさんの音楽歴を伺いたいのですが、小さい頃から音楽は好きだったんですよね。
「大好きでした。親が音楽の仕事をしていたので血筋もあると思うんですけど。ただ、そういう親を見て育ってたから、音楽って大変そうだなって思ってたし、最初は音楽の道に行かないって決めていたんです」
——反面教師にしてたわけだ。それはいつ頃の話?
「小学校の頃とか。だけど、高校を卒業するときに自分のなかに潜在するものがあるなと思って。大学受験を寸前で止めて〈やっぱり音楽で生きていく〉って親を泣いて説得したんです」
——そこまで思ったきっかけは?
「ある日、突然ってわけじゃないんですよ。心のなかでは、(進路を)どうしよっかなあ?って思っていて……でも、失恋がきっかけかな」
——失恋?
「仲間とみんなで受験勉強をがんばっていたんです。そのムードに流されて、私も受験勉強していたんですけど、その仲間内で大恋愛の末の大失恋をして。そのときに自分の人生を考えたんですよ。真剣に考えて、やっぱ自分は歌うしかないなって。それで仲間に〈受験勉強を止める〉って言ったら、〈お前、失恋したからだろ?〉みたいに非難を浴びて。でも、〈いや、私は本気だから〉って、その人たちとケンカとかして縁を切って……」
——じゃあ、反発心がシンガーをめざす背中を押した?
「反発心とかじゃないですね。何か、人生って自分の魂が望んでる方向に行くようになってると思うんですよ。でも、それに逆らうとやっぱりうまくいかなくて。直感というのかな。私はそれに従って生きてるから」
——ってことは、そのときの大失恋は偶然であり、必然だったかもしれないと。
「そう……だった可能性がある。あと、音楽に出会うまでの自分はすごい悶々としてたんです。性格もあるし、育ってきた環境もあると思うけど、自分を他人にどう表現していいかわからない、みたいな。たぶん感受性が強い子だったと思うんですけど、音楽っていうものが自分の身体の一部みたいになってて、音楽によって自分が解放されてるところがあったから。音楽がないと自分がうまく回らないんですよ。自分の心がコントロールできなくなっちゃう」
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