インタビュー

ねごと 『ex Negoto』

 

 

[ interview ]

遂に完成! ワクワクするような胸の高鳴りを、音楽の楽しさを100%の純度で注ぎ込んだような初のフル・アルバム『ex Negoto』が届いた。“カロン”“メルシールー”という鮮烈なシングル曲が多くの人たちの耳を射抜き、音楽シーン期待の新人No.1とも噂されるガールズ・バンド、ねごと。本作は自然体のポップネスと実は鋭いセンスを感じさせる、バンドの底知れないポテンシャルを示す一枚に仕上がった。

キュートなメロディーに透明感のある歌声。ファンタスティックな詞世界に、90sオルタナに通じるコアな音楽性。全12曲には、J-Popの王道になり得るキャッチーさと、繰り返し聴いても何度も発見があるような奥深さが宿っており、さまざまな角度から切り取ることのできる彼女たちの魅力が煌めいている。

今年を代表する一枚になりそうな予感もするアルバムを機に、改めて4人にインタヴュー。収録曲をじっくりと解説してもらい、さらには(みんな照れながら)メンバーがお互いを紹介する形で、それぞれの素顔を明かしてもらった。

 

ヌケがいい

 

――『ex Negoto』、理想的なファースト・フル・アルバムだと思いました。

全員「ありがとうございます!」

――いまに至るまでのバンドの軌跡を詰め込んだアルバムだと思うし、曲順も含めてそれをどう見せるかということに明確な意識があるアルバムだと思うんです。

蒼山幸子(ヴォーカル/キーボード)「そうですね」

――なので、今回のインタヴューは曲ごとにじっくりと話を訊いていこうと思います。まずは、1曲目の“サイダーの海”。この曲を冒頭に置こうと思ったのは?

幸子「最初は、12曲目の“インストゥルメンタル”を1曲目にしようかと思ってたんです。この曲はライヴでもいつも最初にやっているので。でもいつもライヴに来てるお客さんは、きっとそう予想するだろうなって思って、12曲目にしたんです。この曲を最後にしたことで、またその先に向けて始めていく感じになるなって思って」

――それがまず決まったんですね。

幸子「そしたら“サイダーの海”は1曲目にいいんじゃないかという話になったんです。疾走感もあって、透明感もあって。始まっていくというか、開ける感じもある。すごくいい曲だと思って」

――これは前からあった曲なんですか?

沙田瑞紀(ギター)「高校生の時に作ってた曲です。高3の夏くらいかな」

――いま振り返るとどうですか? ねごとの曲のなかでも、どういうところが強いと思います?

幸子「ヌケがいいなって思います。すごく純粋に聴ける曲だと思うんです。試聴機で聴く時も、1曲目にこれを聴いたら楽しいんじゃないかなって思いました」

――で、その後“ループ”“カロン”“ビーサイド”“メルシールー”という既発曲が並ぶわけですけれども。この並び方はどう決まっていったんでしょう?

幸子「“サイダーの海”を1曲目にしたら、次はねごとの原点でもあるし“ループ”がいいんじゃないかと思って。その後は“カロン”“ビーサイド”“メルシールー”って、流れがすごくいいんですよね。全部の曲に疾走感があって、さらっと聴けちゃうみたいな」

 

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掲載: 2011年07月13日 18:01

インタヴュー・文/柴 那典