INTERVIEW(4)――ブリッコしようと
ブリッコしようと
──続いて“こちょばしっこ”……いいタイトルですね(笑)。
「(地元の)北海道の方言かなって思ったんですけど、結構通じるみたいですね」
──“魔法にかけて!”の女子大生から今度は幼稚園児が主人公で。性の目覚め、ってやつですか。
「こういうことありましたよね。じゃれてるうちに触りまくってるっていう。振り返ってみると、あれが性の目覚めだったんだなあと。そういうのが平気でできた年頃なんですよね」
──まあ、ロクな大人にならなかったっていうオチもいい(笑)。
「まあ、無理矢理おとした感がありますが(笑)」
──7曲目“はじめての合コン”。ここでまた合コンネタ!
「何なんですかね。出たことないからコンプレックスなんですかね。いまさら出られないですし、もう手遅れですよねえ。出たとしても……(笑)」
──サウンドはカントリー風で。好きな女の子とプールやお風呂に入りたいっていうささやかな男子の欲望がいじらしいですよね(笑)。
「入りたいですよねえ。この程度のささやかさだったりするんでしょうね、所詮は(笑)」
──続いての“I am not a mother”。以前“I am a mother”(2006年のミニ・アルバム『家族ゲーム』収録)という曲がありましたが、その続きではないようですね。
「これは、想像妊娠の話を知人から聞かされまして。できてるんじゃないかな? でもそういうことを彼には言えないし、でもまあ、調べたらできてなかったと。不安だったけど、できてるかもって思ってる時は幸せだったっていう」
──“また明日”は2曲目の素生さん曲。GOING UNDER GROUNDらしいメロ感ですね。これも小学生かもっと幼い年頃の子供が主人公。この世代を取り上げるおもしろさってあるんですか?
「いろいろ歌を作るなかで、主人公の設定が毎回いっしょだと飽きるので、飽きないようにっていうぐらいで。でも、お年寄りの歌はないんですけどね。たまには動物を主人公にしてみる、〈吾輩は猫である〉をやってみたいなと思うんですけど、それはなかなか難しいんですよ」
──子供が主人公になると言葉のピュアさが増したりもしますよね。
「この曲の場合、メロが先にあって、それを聴かせてもらった時になんか夕焼け感があるなあと思ったので、ピュアな歌詞がいいかなあって。松本さんにいただいた曲に歌詞をつける一発目だったんで、あんまり乱暴なこともできないし(笑)。で、ブリッコしようと思ったらこうなりましたね(笑)」
──最後の曲は“熱海”。ここで〈愛はのぼせる〉っていうフレーズが出てきますね。
「熱海はお好きですか?」
──えっ、いや、行ったことないです(笑)。
「そうですかあ、最高ですよ。なんか、時間が止まってる感がありますね。なんか、最近ゲームか何か(註:『ラブプラス』)の舞台になって、それで若者が集うようになったとかって。いま熱いかもしれないですね、熱海」
──熱海っていう場所のイメージにも昭和感がありますが、歌の風景自体もノスタルジックな感じですよね
「〈汽車〉って言ってますしね。たぶん、地元でずっとそう呼んでたからだと思います」
──さて、ずいぶんとざっくり楽曲ごとのお話を伺ってきましたが、最後に、新装開店にあたっての意気込みなど。
「もちろんがんばりますよ! あまり好き勝手なことはやりませんから。ちゃんと周りの言うこと聞いてまじめにやっていきます(笑)!」
──『愛にのぼせろ』はミドリカワ書房の世界観が確実にアップデートされたアルバムですもんね。
「人は成長していくわけですから、いつまでも〈みんなのうた〉シリーズじゃ、お客さんも僕も飽きてしまいますからね。なので、今回は良かったですわ。ジャケットも男前だし(笑)」