INTERVIEW(3)――オッサンの歌う歌詞じゃない
オッサンの歌う歌詞じゃない
──では1曲ずつ伺っていこうかと思うんですが、まず1曲目の“グッドモーニング”。イントロを聴いた瞬間、イマドキの女子アイドルが歌いそうな爽やかな曲だなと(笑)。
「そうですよ。歌詞がもう、オッサンの歌う感じじゃないですからね(笑)」
──えっ、狙いですか?
「狙ったというか、作ってる時は気付いてなかったですね。女子高生の歌を作ろうと思ってやってたんですけど、いざ歌ってみると、これは僕が歌っていいものなのかなあっていう気持ちになって、もっと可愛いアイドルが歌えばいいのになあって、思ってました。これから誰か歌えばいいんですけどねえ。アレンジャーの告井(孝通)さん的にはアヴリル(・ラヴィーン)らしいですよ、イメージが」
──2曲目の“銭湯”。子供の頃、銭湯でいつも会ってた刺青の親父さんとのやり取りから始まる曲ですが、結末がすごく微笑ましくて。
「これは〈風呂ロック〉(東京・吉祥寺の弁天湯で今年の3月まで6年に渡って行われていたライヴ・イヴェント)のために作った曲なんですけどね。僕が出たのは去年の夏でしたか。〈風呂ロック〉のテーマソングにお願いします、って勝手に作ったんです」
──銭湯って若い人には馴染み薄いかもしれないですけど、ある年齢以上にはここで歌われていることと同じような思い出がありますよね。同い年ぐらいの女の子がお父さんと男湯に入ってくるとか。
「甘酸っぱいですよねえ」
──で、3曲目の“君は僕のものだった”。これ、後半ではどうしようもない男の性を歌ってるんですけど、その後ろで鳴ってるピアノの厳粛さとのギャップがすごく良くって。
「たぶん、オブラート的なものなんじゃないですかね、このピアノは。あまり歌詞をしっかり聴かない人にイイ曲風に聴かせるためのものでもあり(笑)」
──自分の彼女をヴィデオで撮る、さらには営みも撮る。こういった男の性っていうのは、いままでの作品にも一貫して映し出されてますよね。この曲は、ある意味ミドリカワ書房の王道曲。
「ですね。だからこそ男の子に聴いてほしいですね」
──4曲目の“片想われ”は、非常に洗練されたポップ・サウンドで。〈やりたいときに好きなだけやれる関係でいいなら付き合ってもいいけど〉っていう歌詞とのギャップがおもしろい!
「これは女性ウケ悪いんですよ(笑)」
──でも、そういう気持ちって盛りがついた男子なら心のどこかに持ってるものですよね。むしろこれはすごくピュアな歌!
「そうなんですよね。とくに10代の頃なんてアレのことしか頭にないですから(笑)」
──あと、登場する女の子がバレー部っていう設定も、何か掻き立てられるものがありますね。男子的な意見でしょうが。
「ちょっとHなイメージですかね。脚も出てるし(笑)」
──次の“魔法にかけて!”は、〈合コンに出てイケメンGETしちゃうぜ〉っていう女子目線の曲で、作曲は松本素生さん。
「これ、女子大のCM曲なんですよ」
──えっ!?
「そうなんですよ、この内容で(笑)。神戸の女子大なんですけどね」
──こういうフランクな感じの歌詞がむしろいいんでしょうね。
「ねっ。大丈夫なんですかね(笑)」