インタビュー

LONG REVIEW――TAK-Z 『Lifetime memory』

 

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関西のレゲエ・シーンを中心に、現場はもちろんダブプレートやコンピ、客演などでも着実に注目度を高めてきたシンガーTAK-Z。一昨年にインディー・リリースされた『Ten Gallon』に続く彼のファースト・フル・アルバム『Lifetime memory』は、メジャーへと舞台を移して発表の一作だ。甘く爽やかなその歌声は、トラックのテイストを選ばず有効。裏のない歌詞と相まって、絵に描いたような真っ直ぐさが全編から届いてくる。“TSUBOMI(album mix)”の軽快なトラックで見せる伸びやかな声は彼の大きな魅力のひとつだが、その歌は愁いをかかえたメロディーでさらに色を強める。

その意味では、〈瓦礫の下で叫ぶ言葉は僕等に何を残した?〉の一節にはっきりと震災後を窺わせ、全力で生きんとする思いを歌う“Still alive”や、BOXER KIDとのハードコアなダンスホール・トラック“未体験ZONE”などもさることながら、本作において聴き手にとどめを刺す楽曲は、“君がいない”と言えそう。しみじみとしたメロディーの放つ寂寥感は、彼の歌い回しをグッとエモーショナルに染める。さらには連れ添ったTONY THE WEEDのハーモニカも彼の歌の背中を押し、地元賛歌“Osaka Blues”など他の曲でも好サポートを演じている。さらに、レゲエに軸足を置きつつそのシーンのみにとどまらぬヴォーカリストぶりは、アルバム・タイトル曲“Life time memory~いつまでも~”で。そのクセのない歌いっぷりは、さらに守備範囲を広げるだろう。

 

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掲載: 2011年07月20日 18:01

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