LONG REVIEW――MONICA URANGLASS 『PUXA』
エレクトロニック・ミュージックとロック、それぞれのフィジカルさをミックスしたサウンドを聴かせるMONICA URANGLASSが、初作『The Temptation X』からミニ・アルバム『(CASESTUDY)CORELESS,BLAH! BLAH! BLAH!』を挟んで、約2年半ぶりとなるセカンド・アルバム『PUXA』を完成させた。ライヴを重ねることで音楽性に磨きをかけてきた彼らの〈現在の〉サウンドが、本作には詰まっている。
エスニックかつサイケなシンセとギターが導くイントロダクション的な“Danza Crowda”からカリビアンなムードの“Calypso Flavor”へ。すると、ニューウェイヴィーなギターと跳ねたビート、そしてシンセ・ベースが渾然一体となるなか、キャッチーなメロディーが聴こえてくる。
……かと思えば、ハードなギター・リフとトライバルなビートで宇宙へ連行といった感じの“Riot Placebo”、荒っぽくもナゾ度の高いスウィング・チューン“Puxa Moon”、キリキリするようなエッジーさが漲る“KINKY I.N.C.”、そしてキレのあるニューウェイヴ・ファンク・テイストの“C.U.LT”と、クレイジーかつダンサブルなナンバーがその後も続々と飛び出す。
楽器の音色のチョイスといい、音の配置感といい、3人の生み出すパーカッシヴなサウンドは、アンバランスのようでいてとにかく絶妙。こんな音楽を作り出すのは彼ら以外いない。ミラクルなグルーヴを存分に体感しよう!