INTERVIEW(2)――モノクロでフワッとしたイメージ
モノクロでフワッとしたイメージ
——今回、Kateさんが思い描いたイメージは、どんな感じだったんですか?
Kate「なんかモノクロのイメージだったんです。モノクロでもちょっとフワッとした感じで、インサイドな雰囲気。そういう、ざっくりとしたイメージはありましたね。実際ジャケットが出来たら、もともとあったイメージから全然ズレてなかった」
——Kateさんにとって、ヴィジアルのイメージって音楽と同じくらい重要なんですね。
Kate「音楽とヴィジュアルはすごくリンクしてると思っているので、切り離せないっていうか。そこが一致してないとなんか気持ちいんですよ。歌っている時もイメージが浮かんでいるし、そのイメージはなるべくヴィジュアルにもリンクさせていきたいと思ってます」
——歌っている時のイメージというのは?
Kate「この曲は昔のフィルムで撮ったような粗い質感とか、もっとカラフルな感じで、とか」
——そういうイメージをShigeさんにも伝えて、曲に反映させていくんですね。
Kate「そうです。曲を作っている時は何でも言います。音楽以外でも、例えば写真集とか、映画とか。日常的にそういったことは話してますね。〈この映画は観たほうがいい〉とか、〈今度のジャケはこんな感じにしよう〉とか」
——お互い、そういったセンスは共通しているんですか?
Kate「好きなものは近いかもしれないですね。ただ、Shigeのほうが、もう少し奇抜というか」
Shige「俺はオシャレなものより、もっと変なほうがいい。でも、それは周りに通じないことが多いんで普段は抑えてます。その感覚をポップにするとKateのセンスになるというか。だから彼女とは根っこのところでは同じだと思うんですよ。ただ、俺一人でやるとワケわかんないところにいっちゃうところを、Kateが入ることでわかりやすくなる」
——二人でバランスを取っているんですね。
Shige「そうです。俺が考えていることを、Kateがわかりやすく説明してくれるというか」
ビートの代わりに鍋を叩いたり
——なるほど。例えばアルバムに収録されているユニクロのCMソング“Sing with me”はどんなふうに生まれたんですか?
Kate「新作のデモテープを聴いたユニクロ側が、“Go Around”を聴いて気に入ってくれて、そんな雰囲気の曲を作ってほしいって依頼があったんです」
Shige「とにかく時間がなくて。向こうが思い描いていたのは、ポップというか、ある意味シュールな感じの曲だったんです。それで何パターンか作ったなかで、あの曲が選ばれた」
Kate「Shigeが何パターンか作ってきた曲のなかで、やっぱり“Sing with me”がいちばん耳触りが良かったんですよ」
Shige「1日で作って次に日には歌入れというタイトなスケジュールでしたね」
——出だしのスキャットが印象的ですね。
Kate「私、全然スキャットとかできないので(笑)、とりあえず出てきた言葉で自分なりのスキャットを入れました」
——言われてみれば“Go Around”に近い雰囲気を持っていますが、“Go Around”はシングル・カットされてたりしますよね。やはり、この曲はアルバムを象徴する曲のひとつなんでしょうか。
Kate「この曲が出来た時、周りのスタッフの反応がすごく良くて。じゃあ、この曲を中心に、みたいな雰囲気にはなっていきましたね」
Shige「作った本人としては、シングル曲にしよう、とか意識して作ったわけじゃないんですけどね。ビートの代わりに鍋を叩いたりして、家にあるものを楽器替わりにレコーディングして遊んでただけで」