インタビュー

LONG REVIEW――DadaD 『Touch Touch Touch』

 

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ユニット名は〈どの人種(言語)でも老若男女問わず発音できるユニヴァーサルな響き〉を意識して命名したということだが、聴くたびに飛び跳ねたくなる“Sing with me”などは、このポップ・デュオの名を体現した1曲と言える。水原希子が出演したユニクロのTVCMに起用され、まさに老若男女から注目されたこの話題曲を含むニュー・アルバム『Touch Touch Touch』は、DadaDの性格をいっそう明確にするような作品に仕上がっている。

先行シングルとなったシャッフル・ビートの“Go Around”をはじめ、アコースティック楽器の採用率が著しく高くなっているのが特徴だ。ときにグラマラスだったり、ニューウェイヴィーなテイストのロック・チューンが揃った2008年作『Welcome to sha la la la』とはいささか異なるキャラクターを持っており、ここにはスウィンギーかつフレンドリーなポップ・チューンがひしめき合っている。

温かみのあるサウンドが広がるなか、トロンとした目で跳ね回るKateのヴォーカルはいっそう映えていて、Shigeが作り出す独特の浮遊感を湛えたトラックと絡み合いながら、バウンシーな心地良さを生み出していく。そんなハリ感は、“Hop Step Jump”のようなドリーミー・チューン、“Forget”“E.G.B.A.”などのパワフルかつグルーヴィーなアコースティック・ナンバーにおいても得られよう。

誰もが口ずさみたくなるような親しみやすさを宿した新感覚の〈DadaDサウンド〉を生み出した彼ら。今回はより多くのリスナーのハートにタッチすることは間違いないだろう。

 

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掲載: 2011年09月07日 18:00

文/桑原シロー