インタビュー

GIORGIOさんのBEHINDにある音楽、NOW or EVER



インタヴュー中にある通り、常にヒップホップを摂取してきたというGIORGIO。彼のルーツとなるのは、やはり自身に通じるポップセンスを備えたアーティストたちだった。

「ずっと聴き込んでいるのはスヌープ・ドッグ。アーティストとしてのセンスがずば抜けているし、一言一言をしっかり投げかけるラップも凄い。ボーン・サグズン・ハーモニーは強面のラップ・ミュージックなんだけどポップなところがいいですよね。自分の音と似てる……なんて言うとおこがましいけど、影響を受けてると思います。アレステッド・ディヴェロップメントも昔から好きで、やっぱりファースト・アルバムがなかでも素晴らしいなと。プロデューサーだとJR・ロテムとかエイコンが好みです」。

では最近のお気に入りは?と訊くと、「ニッキー・ミナージュの『Pink Friday』とジェシーJの『Who You Are』は聴き倒しました。この2枚はどの曲を取っても自分のなかでホットだったし、いまも好きです」という答え。そうした海外作品に感化される一方、「TWIGYや彼がいたMICROPHONE PAGER、雷(家族)の人たち、キングギドラ……90年代のジャパニーズ・ヒップホップを引っ張ってきたパイオニアたちの作品も並行して聴いてました」とのことで、これらの日本勢がラッパーとしての原点になったのだろう。そのラップという表現に対しては並々ならぬ思いがあるようで、その現状についてこう語ってくれた。

「あるアーティストさんが〈みんなラップの部分を飛ばして聴いてる〉って言ってたんですよ。サビだけを聴いていると。そういう状況なんであれば怒ったって仕方ないわけで、しっかりと届くラップを作らなきゃいけない。自分のスタイルを崩さずにラップを聴かせることはひとつのテーマですね」。


▼文中に登場するアーティストの関連盤を紹介。

ジャケは登場順に左から、スヌープ・ドッグの2011年作『Doggumentary』(Doggystyle/Priority/Capitol)、ボーン・サグズン・ハーモニーの2010年作『Uni5: The World's Enemy』(BTNH Worldwide/Asylum/Reprise)、アレステッド・ディヴェロップメントの92年作『3 Years, 5 Months & 2 Days In The Life Of...』(Chrysalis)、JR・ロテムが手掛けたマンの2011年作『Mann's World』(Beluga Heights/Mercury)、ニッキー・ミナージュの2010年作『Pink Friday』(Young Money/Cash Money/Universal)、ジェシーJの2011年作『Who You Are』(Lava/Universal Republic)、MICROPHONE PAGERの95年作『DON'T TURN OFF YOUR LIGHT』(ファイル)、キングギドラの95年作『空からの力』(Pヴァイン)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年10月26日 18:00

更新: 2011年10月26日 18:00

ソース: bounce 337号 (2011年10月25日発行号)

文/澤田大輔