インタビュー

鶴 『ハートの磁石』



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[ interview ]

ファンキーでガッツ溢れる演奏のなかからしばしば現れるハートフルなメロディー──バンド名からは簡単に想像しがたい意外性のあるチャームをあれこれと振りまきながら、日々邁進するスリー・ピース・バンド、鶴。そんな彼らが、5月に発表した『秘密』に続いて今年2枚目となるミニ・アルバム『ハートの磁石』をリリースする。5曲入りというコンパクトなサイズでありながら、バンドの魅力がギュッと詰め込まれた本作で1年を締め括る彼らは、同時に、長らく親しんできた〈アフロ〉と訣別のときを迎える!



今年はバンドのことを考える時間が多かった



──前作の『秘密』に続いてミニ・アルバムのリリースということになりますが、まず、年頭に掲げた〈ING計画〉なるものを改めて説明していただけますか?


秋野温(ヴォーカル/ギター)「〈ING計画〉は、現在進行形の鶴をですね、なるべく多くの方々に早くお伝えしたいということで、思ったこととかやってみたいことを形にしようってことで掲げたものなんですけど、具体的には、いままでやっていなかった地方でイヴェントをやってみたりとか、ライヴで毎月新曲を披露したりとかっていう。まあ、そのおかげで今年は、音楽というかバンドのことを考えてる時間がいままでより非常に多かったですね」


──ミニ・アルバムという小ぶりな作品を刻んだのも、〈ING計画〉に基づいたこだわりということなんでしょうか?


秋野「う~ん、そこまで深い思惑っていうのはないんですけど、ミニ・アルバムって、鶴のイイとこが結構出るんじゃないかなって思ったからなんですよね。確固たる何かがあるってわけじゃないんですけど、なんか5曲ぐらいがやりたいことをギュッと詰め込めて、おなかいっぱいになりすぎないっていう、すごくいいサイズなんじゃないかなって。それって前回の『秘密』のときも思いましたし、それこそ最初に出したミニ・アルバム『ダンディー・ダンディー・ダンスィング』(2007年)でも思って。だから、今回もスッとこういう形に決まりましたね」


──フル・サイズだと余計な欲が出てしまうっていうことなんですかね?


秋野「もちろん、フルが苦手っていうわけじゃないんですけど、作りながら〈聴いててもたれちゃうかな?〉って思うときもあって、全体のバランス感は毎回すごく考えるところだったりするんですよね。それに、そのときにある曲を片っ端から突っ込んでいくみたいなこともあるので、そういうふうなやり方でフル・アルバムを作ると、〈入れすぎかな?〉ってなるときもあると思うんですよね。でもまあ、ミニ・アルバムをポンポンと2枚作ったことで、今後のフル・アルバムで考える幅が広がったというか、ミニ・アルバムで凝縮した感じをどうやってフルのときに再現してやろうかって、いろいろ考えられるようになりましたね」



カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2011年11月30日 18:01

更新: 2011年11月30日 18:01

インタヴュー・文/久保田泰平