INTERVIEW(3)――これで終わりかなと思いました
これで終わりかなと思いました
――期間限定だったグループが好評で延長されたはいいけれども、そこでまた問題が出てくるわけじゃないですか。まずは学校がダメになっちゃうんですか?
Megu「そうですね、学校がなくなって。まず、それまでスクール預かりにしてもらってたNegiccoが、もうスクールでは預かれないってことになって。どうするかってなったときに、いまのマネージャーさんが芸能関係で〈古町どんどん〉とかのイヴェントを作ってる方だったんで、そのまま預かってもらったんですけど」
――そのときの心境ってどうでした?
Megu「あのときはもう……これで終わりかなと思いました、単純に。でも、それはそれでいいかなって思ったんですね」
――もともと期間限定だったわけだし。
Megu「そうです。曲もないし、終わるんだったらここで終わっていいかなってちょっと思ったんですけど。いろんな方が後押ししてくださったりとか、Negiccoはもっとがんばればイケるんじゃないかって応援してくれた方がたくさんいて。まさか、ここまで継続できるとは思ってなかったです」
――その段階で、自分たちでやれることは全部やっていこうってことになったんですか?
Megu「そうですね。最初はスクールにいたときの先生に振付とかお願いしてたんですけど、だんだんそれもなくなってきて、自分たちでやるしかないって状態になって。でも、私とかKaedeちゃんとかまだ若かったから、Nao☆ちゃんにダンス考えてもらったりとか」
――年齢差はそれほどないんですけどね(笑)。
Megu「はい(笑)。リーダーということでNao☆ちゃんにダンスを考えてもらったりして、なんとか乗り切ってたんです」
――最近、ようやく振付の人が入ったんですよね。
Megu「そうなんです! 曲によってはちょいちょい先生に入れてもらったりとかあるんですけど、今回の“恋のEXPRESS TRAIN”から正式な形で先生についてもらってますね」
――やっぱり違います?
Megu「全然違います! 気持ちの入り方も違いますし、やっぱり楽しんでできるっていうのがいちばんなので」
――そんなに苦しんでたんですか(笑)。
Megu「苦しんでました(笑)。時間がないなかで、自分たちで考えるのすごい大変なんだなって改めて思って」
――いろんなDVDを観て研究して。
Megu「そうなんですよ。女性のアイドルグループさんだとパクッたってバレるから、男性アイドルさんのあんまり有名じゃなさそうな曲とかDVDで観たりとかして、これなら使えるなとか思って振りを作ったりしてて、ホントに必死でしたね」
――最初は4人組だったわけじゃないですか。そのうちメンバーも1人減っちゃうわけですよね。
Megu「そうですね。Mikuちゃんっていう、そのメンバーの子は2期生で入ったんですけど、新しい夢ができちゃってNegiccoを離れることになって(*)。彼女とはいまでも連絡取り合ってますね」
(*2006年11月に脱退)
――そのときの不安感は?
Megu「かなりありました……。私、すごく仲良くしてたから、いちばん最初にその話を聞いたとき泣いちゃって。歌がすごい上手な子だったんで、Negiccoとしても抜けたらすごい不安になるなと思ったし。すごいしっかり者だったので、抜けたら柱が崩れるんじゃないかなっていうのもあったし。4人でちょうどバランスがいいって言われてたので、3人になったときにどうなるんだろうって」
――それでメンバーを追加して、また4人組になって。
Megu「はい、そうです。Misakiちゃんっていう子が入ったんですけど、またちょっと……」
――彼女にも新たな夢が(笑)。
Megu「新たな夢を見つけてしまったので、また3人に戻ったんですけど(*)。でも3人になってから、3人でやらなきゃいけないんだっていう意識がグッと強くなったし、3人になったからこそもっとがんばらなきゃ、みたいな結束力が強くなって、新たな転機にはなりました」
(*Misakiは06年12月に加入、08年4月に脱退)
――その後もずっと地道に新曲も出し続けていたわけですけど、CD-Rの会場売りと通販のみみたいな状態だと、なかなか世間には届かないわけじゃないですか」
Megu「そうですよね(笑)。やっぱり自分たちはconnieさんが作ってくれる曲をもっともっと広めたいっていう思いはあったんですけど、自分たちだけじゃどうしたらいいかわからなくて。とにかくそのときは、できることを精一杯やってた状態だったので」
――2007年には広島の地方アイドルだったPerfumeがブレイクしたわけですけど、どういうふうに見てました?
Megu「最初に見たときはすっごいうらやましいなと思いました。同じ時期に活動を始めたのもあるんですけど」
――同じ時期にデビューして、同じような状況でやってきた人たちが。
Megu「そうなんですよ。オリコンチャートとか入ってたんで、すごいうらやましかったっていうのは正直ありますね」
――エコのキャンペーンCMがブレイクのきっかけになったって意味では、同じようなことやってたわけですからね(*)。規模こそ違えど。
(*UX新潟テレビ21が主催する〈Team ECO WORK!〉のイメージキャラクターを務めていた)
Megu「そうですね、全然違いますね(笑)」
――ただ、ボクが気になりだしたのはその頃なんですよ。〈あのNegiccoがPerfume化した〉みたいな噂が流れてきて。なんか楽曲もテクノっぽくなって、振付もPerfumeっぽくなってるぞってことで(*)。
(*ミニ・アルバム『アノソラヘ』(2008年)収録の“My Beautiful Life”)
Megu「それは正直、〈この波に乗っちゃえ〉みたいな(笑)」
――ダハハハハ! あからさまに“ポリリズム”な振付でしたからね(笑)。
Megu「そうなんです、そこを逆に狙っていこうっていう感じで。そのときはconnieさんも〈それっぽい感じでいこう〉っていうことだったので、とりあえず波に乗って、そこからグンといけたらなと思ったんです」
――その波には乗れたんですか?
Megu「波に乗れたのかな……? でも、それがあって結構注目してもらえるようになったんですよ。Perfume好きの方とかから興味持ってもらえたりもあったし。いまのNegiccoのファンの方でPerfumeさんが大好きっていう方がすごく多いので、そういう人に見てもらえるきっかけにもなったかなって思います」
――そこまで深く関わっているconnieさんが、無償で楽曲を提供していたという話にもビックリしたんですよ。
Megu「昔はそういう時期もあったんですけど、いまはちゃんと払えるようになりました(笑)。connieさんもNegiccoがすごい好きでやってくれてると思うので、私たちもconnieさんのやってくれたことが無駄にならないように、connieさんといっしょに夢に向かってがんばっていきたいなって思ってます」