インタビュー

Negicco 2003〜2012(第4回)



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[ interview ]

新潟で育まれた圧倒的なスタイルとクォリティー! 2003年の結成以来、度重なる危機に瀕しながらも、楽曲そのものやパフォーマンス、三者三様なキャラクターの魅力によってジワジワと支持を広げ、タワレコのアイドル・レーベル=T-Palette入りしてからはコンスタントに作品を重ねているNegicco。人気TV番組「めちゃ×2イケてるッ!」のエンディング・テーマ“圧倒的なスタイル”も収録したベスト・アルバム『Negicco 2003~2012 -BEST-』のリリースまで1か月を切りました! ということで、彼女たちの活動を長年見守ってきたプロインタビュアー・吉田豪のディープな7週連続インタヴュー企画も第4回目、Kaedeちゃんの後編です! 未チェックの方はまず前編を読んでからどうぞ!


・Negicco 2003〜2012(連続企画:第1回)Megu【前編】はこちらから!
・Negicco 2003〜2012(連続企画:第2回)Megu【後編】は
こちらから!
・Negicco 2003〜2012(連続企画:第3回)Kaede【前編】は
こちらから!



あれネギじゃね?



――小学校のときは〈調子に乗ってる〉みたいに言われちゃったわけですけど、中学、高校、大学と学校ではどんな感じだったんですか?

Kaede「小学校の経験があったので、中学校に行くとき母に〈あんた、たぶん中学校に行ったらもっと言われるんだから、おとなしくしてなさいよ〉って言われて。それで教室で休み時間もひとりで本読んでるような感じで」

――すっかりキャラを変えたわけですね。

Kaede「ホントにおとなしい人を演じてました。高校に入ってから中学の子とかに会うと、〈変わった?〉って言われてたんですけど、中学のときは素を隠してただけなので。高校では普通に過ごせました」

――もっと自分を出せるようになって。

Kaede「はい。みんな応援してくれてたので。でも、中学校はやっぱり怖いなっていうのもあったし。小学校の近くの中学校に行ったわけじゃなくて、お祖母ちゃんの家からレッスン場の近くの中学に通ってたので。転校生みたいなものだし、しかもNegiccoだし、目立たないようにしなきゃと思って。とにかく静かな人っていうか、なるべくおとなしくしてました」

――大学ではNegiccoだとバレてるわけですよね?

Kaede「入試の時点で〈あれネギじゃね?〉って言われて、ヤバいと思って」

――「ネギじゃね?」(笑)。

Kaede「入学式のときも〈あれ? Negiccoいるじゃん〉とか言われて、もう隠せないな、みたいな。入試の時点で先生とかにもバレてたみたいで、〈Negiccoが受かったよ〉みたいな話をしてたっていうのを、あとから教授に聞いたりして」

――「やっぱ卒論もネギで書くの?」みたいな。

Kaede「ハハハハハ! わかんないですけど、〈ウチの学科に入ったらしいぞ〉みたいなのが広まってたみたいで」

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――当然、それで調子に乗ることもなく。

Kaede「普通に(笑)。ある程度は知名度も出てきて、しかも年齢も年齢だし、みんなそういうこと言わないから、小学校みたいなことはないです」

――……というか、Negiccoの3人って調子に乗りようがないですよね。

Kaede「そうですよね(笑)」

――みんな調子に乗れるほどハートが強くないじゃないですか。

Kaede「そうなんですよ」

――で、みんな自信もないじゃないですか。

Kaede「はい、全然」

――あらためて訊きますけど、Kaedeさんは自分に自信は全然ないんですか?

Kaede「ないです。コンプレックスだらけです。可愛いとか言われても、〈絶対そんなこと思ってないでしょ?〉って思っちゃうんです」

――〈また嘘ついてる、罠にハメようとしてる!〉みたいな(笑)。

Kaede「そうそう(笑)。〈好きです〉とか言われても、〈いやいや、おかしいでしょ!〉みたいな。ホントに自信なくて」

――自信があるところは何かあるんですか?

Kaede「最近、ステージ上の表情がよくなったっていうのは言われるんですよ。たしかに、普通に笑っちゃうと顔が崩れるじゃないですか。だからそういうのを気にして、意識的に目を見開いて笑ったりとかしてたんですけど、それはあんまりよくないのかなとか思い始めて」

――不自然ですからね。

Kaede「はい。あと、楽しくてホントに自然に笑っちゃうようになったので、その頃から〈すごい表情よくなったね〉って言われるようになって」

――絶対、自然なほうがいいですよ。この前も新潟のボクと杉作(J太郎)さんのトークイヴェントに飛び入りしたとき、杉作さんのギャグに普通に大笑いしてる姿がよかったですから。

Kaede「あの人、存在がすごいですよね。めっちゃおもしろくて。落ち着かなきゃ落ち着かなきゃって思ってたんですけど、かなり笑ってしまって」

――そういう自然な表情がいいですよ。そんなことも気にするぐらい外見に自信ないんですか?

Kaede「全然ないですね……」

――さっきMeguさんが言ってましたよ、「両サイドが可愛いから、私はホントにルックスに自信が持てない」って。

Kaede「何を言ってるんですかね(笑)。ホント、華もないし歯も出てるし、目は開いてるし(笑)。これでアイドルでいいのかって思いますね」

――ほかのグループとか見てると、さらにコンプレックスが刺激されて。

Kaede「そうです。みんな可愛いし細いし……。一瞬、整形したいとか思ったんですけど……」

――ダハハハハ! そうだったんですか!

Kaede「韓国にでも行こうかなとか思ったんですけど(笑)。まあ、これはこれで個性でいいのかなって」

――個性です! たとえば八重歯を治す子とか多いですけど、むしろそのままでいいのにと思ってるんですよ。

Kaede「治しちゃうと、また顔が変わっちゃうっていうか」

――特徴がなくなっちゃうんですよ。

Kaede「きれいにはなるかもしれないですけどね」

――絶対、自然なほうが印象に残った人が、そうじゃなくなっていく様を何度も見てきたので、そんなことしなくていいって伝えたいんですよ。

Kaede「そうですよね。だから、これも自分らしさだと思って」

――なかなか自信は持てないでしょうけど。

Kaede「持てないですけど、これでいいんじゃないかなって」


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掲載: 2012年02月01日 17:59

更新: 2012年02月01日 17:59

インタヴュー/吉田豪 撮影/成清徹也