INTERVIEW(3)――ネギは武器
ネギは武器
――そんなKaedeさんからはNegiccoとしての活動と学業以外のことが見えてこないんですけど、ほかに楽しいことってあります?
Kaede「ないかもしれないですね。勉強するかNegiccoやるか。勉強も間に合わないと、こっちの仕事に持ってきてやってたりするから」
――両立するのも大変ですもんね。
Kaede「そうですね。レポートが結構つらかったりします。次の日は撮影とか言われても、〈いや、だってレポート終わんないから〉って、眼の下にクマを作って行ったりとか」
――スマイレージから前田憂佳さんが脱退(*)したりするなか、アイドルと学業の両立の問題について『BUBKA』のUstream番組で話していたら、〈NegiccoのKaedeはちゃんと両立できてるよ!〉っていう書き込みがあって。
*受験勉強への専念を理由に、2011年の活動をもってグループを卒業した
Kaede「できてるんですかね(笑)。とりあえず、なんとかやってますけど」
――〈いや、Kaedeさんも両立が難しくて不安になってます!〉って言いたくなりました。
Kaede「でも、スマイレージさんは忙しいですし(笑)」
――むしろ両立できないぐらいに忙しくなりたいっていうのがあるわけですよね。
Kaede「うん、そうですね。この活動に専念できるぐらいの忙しさになればいちばんいいです」
――最近、順調に忙しくなってるんじゃないですか? 毎日、何かあるぐらいの。
Kaede「そうですね、先月も大変でしたし」
――あのワゴン車での移動でライヴやるのは大変だろうなって思いますけど。
Kaede「よくあるんですよ。〈え、30分でそこまで行くの?〉みたいな。で、結局間に合わなかったりとか(笑)」
――車の中で小さくなりながら移動して。
Kaede「移動が車っていうのはつらいですね。しょうがないですけど」
――杉作J太郎先生も車で地方のイヴェントやってるんですよ。ボクが新幹線で行ってるなか、あの人は節約のために新幹線代をもらって、車で14時間とか15時間かけて行ったりして。
Kaede「うわっ! でも、運転は好きなんですかね?」
――いや、べつに(笑)。自分で運転して、フラッフラのまま寝ないでトークショー5時間とかやってますよ。
Kaede「……すごい」
――運転まで自分になると地獄でしょうね(笑)。この先、東京進出したいとかの目標はあるんですか?
Kaede「そうですね、ホテルに泊まってとかじゃなくて、こっちに住んで活動……でも、どうなんですかね? 全国で仕事したいので、それだったら東京にいたほうがいいのか、それとも新潟から移動すればいいのか。まあ、東京のほうが便はいいですけど」
――そこは難しいところなんですよね。Negiccoが新潟在住じゃなくなったときに、この空気がなくなる可能性もあるっていう。メンバーは〈ネギの泥を落としたい〉って言ってるけど、泥がなくなったネギははたしていいのか悪いのか。
Kaede「そうですよね……。泥臭さがいいって言われたりもするし、いまは東京だけがすべてじゃないっていうのもあるから。ホントに両立できないぐらい忙しくなりたいです」
――いまは大学卒業することに不安はないですか?
Kaede「卒業はしたいですけど、忙しくなったら休学するしかないのかなっていうのは考えていて」
――それぐらいNegiccoに専念したい。
Kaede「したいですね。教授も〈何年かかってでも卒業はしたほうがいいよ〉って言ってくれてて、〈4年で卒業しろ〉とは言われてないので(笑)。応援してくれてます」
――何度も辞めようと思った人が、ようやくこれだけ本気になれた、と。
Kaede「ホントですよね」
――流されてNegiccoに入った人が(笑)。
Kaede「ヘヘヘ、趣味で始めたのに(笑)」
――反応の違いはわかるだろうから、当然手応えもあるわけですよね。
Kaede「そうですね、対応がもう違ってきてるので」
――対応が(笑)。
Kaede「Negiccoって名前で笑う人があんまりいなくなったっていうか、名前だけで判断してた人が観に来て、〈あ、いいじゃん〉って言ってくれるようになったりとか」
――しかし、Negiccoっていう名前を背負ってこんなに何年もやると思ってなかったですよね。
Kaede「思ってなかったですね。始まったばっかりの頃も、〈べつにNegiccoって名前で20歳とか30歳までやるわけじゃないんだから〉みたいな話をしてたのに、いつの間にか20歳になってるし。ビックリですよね(笑)」
――まさか、ここまでネギ推しになるとは。
Kaede「改名しようとかいう話もあったんですけど」
――え! そんなことがあったんですか!
Kaede「ありましたね。でも、結局Negiccoのままなので」
――〈ちょっと本格的にアーティスト的な方向に行きたいんで、Negiccoっていう名前はちょっと足かせになると思うんですよ〉みたいなことになったんですね。
Kaede「そうですね。〈変えたほうがいいんじゃないか〉ってさんざん言われましたし。でも、顔が広まってるわけでもないのに名前変えちゃったら、また1からやり直しだしっていうのもあって」
――ネギって名前を捨てようとしてた人が、もう1回“ねぎねぎROCK”とか歌ってネギを持たされる気分っていうのはどうだったんですか?
Kaede「ホントに、なんでまたネギなのかって思いましたよ(笑)。またそこに戻るのかって思って。結果的にそれがU.M.U.とかに繋がったので」
――再度ネギの重要性を思い知って。
Kaede「そうですね。ネギはまだ武器にしていかなきゃいけないなって思います」
――初音ミクがネギ持って踊ってるのを見たときはどう思ったんですか?
Kaede「初音ミクさんは初音ミクさんでいいと思います」
――そりゃそうですけど。初音ミクのパクリだ、みたいに言われたりもするじゃないですか。こっちのほうが先なのに(*)。
*初音ミクがネギを持った姿を認知せしめたとされる動画〈VOCALOID2 初音ミクに「Ievan Polkka」を歌わせてみた〉のインスパイア源とされるMAD動画〈Loituma Girl〉で借用されたTVアニメ『BLEACH』の放映は2004年!
Kaede「それはちょっとつらいですけど。わかんない人はわかんないし、それで知ってもらえるのはいいことかな」
――あとは、とりあえずこの流れが止まらないことを願うばかりなんですけど。
Kaede「それには結果を出していかないと。不安ですねえ……」