インタビュー

INTERVIEW(4)――メロディーは自分たちのアイデンティティー



メロディーは自分たちのアイデンティティー



——なるほど。アルバムの特徴として前半のギターを使った楽曲ともう一つ歌モノがより進化してきている感じがしますよね。今回の歌い手とのコラボレーションはどんな感じだったんでしょうか?

JUN「“I Shake”はフランクミュージックとなんですよ。“Dream”がウィップ。“Step”がゴーステープ。“Turn Baby Turn”でヴォーカルを取ってくれたアーティストです。“Lightwaves”はイエス・ジャイアンティスっていうアーティストです。ゴーステープはもともとメル友で仲良しだし、ウィップもレーベルメイトですし、フランクミュージックはLAのレーベルメイトを通じてお願いした感じですね」

——インディー感のある“Lightwave”や“Step”や“Dream”に比べて、かなりメジャー感があるというか、ゴージャスな歌い方が印象に残りました。

Ali&「向こうから歌入りのヴァージョンが返ってきたらキラーズみたいな感じに仕上がってましたね。基本的にオケを投げて、歌って返してもらう感じなので共作に近い感じで作ってるんですけど」

——ああ、それじゃ、ヴォーカル・トラックに関しては、メインのメロはヴォーカリストが作っている感じなんですね。

JUN「そうですね。というのも僕らには英語のノリってやっぱり完全には理解できないし、英語の譜割りにまで意識をするとメロディーが出てこなくなる。日本人っぽくなっちゃうので、そこは任せてしまったほうがいいかなって思うんですよ。で、ウィップもフランクミュージックも間違ったのがこないのでよかったですね。特にフランクミュージックの歌は録りが綺麗だし、コーラスのクリアな感じがすごかったですね。音の位相が全部違うのですごくよく聴こえる」

――これまでのクラブ・コンシャスなトラックの流れを受け継ぐ曲は“Stack Up”や“Mind The Gap”ですよね。アシッドな感覚が強い曲ですが、“Mind The Gap”は後半のメロウな構成力にユニットの進化を感じました。

Ali&「“Mind The Gap”はフロア用の曲を作りたいと思って作った曲ですね。TB-303系の感じを出して今風にしようと思ったんですけど、中盤以降のメロディーが浮かんで楽曲の構成が決まった」

——あの曲で自分たちの強みみたいな部分がよりクリアになったんじゃないですか?

JUN「完全にそういうスタイルのバンドだと思ったよね」

Ali&「そうだね。メロディーは自分たちのアイデンティティーだと思いましたね。“Mind The Gap”はそれを活かしたトラックだと改めて思いました。メロディックな部分、エモいもの。僕らの音楽には確固たるヴォーカルがずっといるわけではないけど、その都度に色の違うアルバムが作れる。でも、ヴォーカルがいなくても曲がアンセムとして残っているのは、リード・シンセやギターのメロディーラインってのが強いし、僕らのタッチが確立されているから。それがあるお陰で僕らはどこにでもいける。貫けば自分たちっぽくなる。それは今回のアルバムで気付いた部分ですね」

——アルバムを作り終えて、自分たちの音楽性に新たに加わった部分はどんなところだと思いますか?

Ali&「3枚目なので何かが加わったりというよりは、ちゃんとやったって感じですね(笑)」

JUN「もう32歳なので大人っぽさが加わったんじゃないですかね。制作面で洗練された部分もあるし、いい感じに仕上がったと思います」

――生音が増えた部分、よりエモく、メロディーが立ってきた部分を考えると今度はライヴが非常に楽しみになってきますね。

JUN「実際ライヴがすごく楽しみなんですよ。今度サポートのベーシストが変わるんですけど、前の人とはまた違った個性のあるいいベーシストなので、楽しみにしてほしいですね。もちろんDJも続けていきます。基本はDJなので」

Ali&「DJでも世界観は出せると思います。今回のアルバムの曲も全然セットに入れられる。もし入れられなかったら、みんなにリミックスをお願いしてやってもらう感じかな(笑)。ライヴに関しては、呼んでくれるのであればいくらでもやりますって感じですね」


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掲載: 2012年04月18日 18:01

更新: 2012年04月18日 18:01

インタヴュー・文/佐藤 譲

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