INTERVIEW(2)――王道の良い曲を
パッケージの魅力を伝えたい
――このままアルバム収録曲を、配信で発表された順に伺っていこうと思います。2月に配信した“サヨナラマイラブ”はシンガーに中村舞子さんを迎えてますね。中村さんのソロ作品にも通じるアーバンな雰囲気のナンバーに仕上がってます。
「いろんなところでフィーチャリングされてる歌い手さんということもあって、普通にコラボしたらどんな曲になるか想像できちゃうところがあったんですよ。かと言って、彼女のイメージを覆すようなことも別に求められてない。どうしようかと悩んだんですけど、素直に王道の良い曲を作ろうと。この曲もノー・ギミックで勝負しました」
――中村さんもGIORGIOさんも、着うたのシーンですごく人気がありますよね。着うたと日本のR&Bってかなり密接に繋がってますし、その関係性がとても興味深いなあと。GIORGIOさんには着うたのシーンってどう見えているんでしょうか。
「〈こういうふうに見えてます〉って話せればいいんですけど、まったくわからないんですよ。着うたで音楽を聴いてる方はブログとかTwitterで繋がってるみたいですけど、僕はそういうの苦手だし(笑)。で、どうしたらいいんだろうって考えたんですけど……自分にできることをやるしかない。こっちからリサーチするんじゃなくて、マーケットの人たちから自分の音楽に辿りついてもらいたい。そのルートを作らなきゃって考えてます」
――シーンを意識して曲を作るわけではないと。
「いや、もちろんマーケティングも大事なんですけど、時代もどんどん変わっていくし、プロデュースで成功した曲を自分の作品に持ち込んでも全然跳ね返ってこなかったりしますからね。着うたは気軽にサクッと音楽を楽しむスタイルだと思うんですけど、個人的にはもっと良い音で、フルサイズで聴きたいし、パッケージも楽しみたい」
――こうやって配信曲をCD化することで、着うたリスナーにパッケージングされたものの魅力を伝えたいって気持ちもありますか?
「絶対そっちに持っていきたいですね。特に良い音で聴いてほしい。うちらミュージシャンは機材にお金をかけて、電圧から気にして、少しでも良い音にしようとしてる。そうやって作った音楽が、まったく音の違いがわからない環境で聴かれているのは皮肉だなーと思っちゃうんです。ちゃんとした環境で、良い音質で聴くとこんなに素晴らしいんですよ、ということを明確に伝えていきたい。それが自分たちの仕事だと思ってます」