NERDHEAD 『CRUISE WITH YOU』
[ interview ]
前作『BEHIND the TRUTH』から7か月。GIORGIO “13” CANCEMIのソロ・プロジェクト、NERDHEADが早くもミニ・アルバム『CRUISE WITH YOU』を完成させた。女性シンガーの楽曲のみを揃えた本作には、これまでのGIORGIOワークスの流れを汲む美しいメロディーが注ぎ込まれている一方、従来のイメージを鮮やかに裏切るフレッシュなサウンドも用意されている。数多の楽曲を世に送り出し続ける稀代のプロデューサーに、今作についてたっぷり話を訊いた。
ギミックなしでストレートに
――今回の『CRUISE WITH YOU』はここ半年ほどの間に配信で発表された曲をまとめて、新曲も加えたミニ・アルバムですね。
「前作を出してからそんなに時間が経ってないということもあって、今回はオリジナル・アルバムとは違う形で、企画盤っぽくしたいなと思ったんです。それで配信で出した曲を含めて、女性シンガーの曲だけでまとめようかと。5曲くらいでライトに楽しめればいいかなと思ってミニ・アルバムになりました」
――本作に収録されている“2度目のi Love U”は、前作をリリースされた直後の2011年12月に配信されましたね。活動の流れを止めずに、休むことなくNERDHEADを続けていくようなイメージだったんですか?
「いや、そう考えていたわけではなくて、単にウィンター・ソングを冬に出したかったんですよ。目を閉じたら冬の情景が浮かぶようなものにしたいなと思って、変に構えずシンプルに作ったら“2度目のi Love U”になりました」
――GIORGIOさんはプロデューサーとしても活躍されていて、いろんなアウトプットの仕方があると思うんですけど、NERDHEADとして出したのはなぜなんでしょう。
「“2度目のi Love U”に関しては、誤解を恐れずに言えば、名義はなんでも良かったんですよね。誰の曲かは関係なく、良いウィンター・ソングとして聴いてもらえたら良いなあと」
――以前のインタヴューで、NERDHEADとSo'Fly、そのほかのプロデュース楽曲で大きなスタンスの違いがあるわけじゃないとおっしゃってましたね。
「そうなんです。“2度目のi Love U”はTOKO(So'Flyのヴォーカル)さんに歌ってもらってますし」
――とは言え、彼女をNERDHEADで起用する時にはなんらかのジャッジが働いているわけですよね?
「僕はインディー時代からいろんな曲を手掛けてきましたけど、シンガーの曲には自分の周りのラッパーにどんどん参加してもらって、ラップの曲ではTOKOさんにどんどん歌ってもらって……ってやり方で作ってきたんです。ヒップホップ的な考え方だと思うんですけど、そこらへんにいる仲間をどんどん入れちゃう。でも、NERDHEADの前作はあえてTOKOさんを入れなかった。メジャーでの1作目ということもあって、はじめましての方にたくさん参加してもらったアルバムでしたし。その直後の“2度目のi Love U”だったんで、フィーチャリングとか考えずにウチのヴォーカルに歌ってもらおうと。曲にもすごく合ってましたからね」
――TOKOさんが歌ってることも含めて、“2度目のi Love U”はフラットに作られた印象ですね。メロディーもすごく切なくて、これぞGIORGIOさん節という感じで。
「〈こんな新しいことやってます〉とかって打ち出す必要はない曲ですね。ギミックなしでストレートに作りました」
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