INTERVIEW(4)――MiChiの世界に入って勝手にラップした感じ
MiChiの世界に入って勝手にラップした感じ
――MiChiさんをフィーチャーした新曲“i'm OK”も、“Tomorrow”からの流れを感じさせる斬新なトラックですね。
「この曲がいちばんジャンルが違う方とのコラボになったと思います。MiChiさんといっしょにやることになって用意した曲が、彼女と初めて会った時に〈これじゃないな〉と思ってしまって。それでイチから作り直したのが“i'm OK”なんです。これはNERDHEADというよりも、僕がMiChiさんの世界に入っていって、勝手にラップしたみたいな感じ(笑)。いままでのNERDHEADにはない曲になりましたね。すごくポップなんだけど、邦楽じゃなくて洋モノのポップ感がある」
――サウンドは、ちょっとドレイクに通じるところもあるかなと。
「ドレイクとか聴いて作ってますしね。でもドレイクほど、ドヨーンとしてないと思いますけど(笑)」
――そうですね。もっと明るくてポップな印象です。
「最近はケイティ・ペリーとかジェシーJとかが好きなんです。彼女たちの曲って、作ってるのはヒップホップの人たちだけど、でもすごくポップス寄りじゃないですか。で、ケイティだったらスヌープ・ドッグがラップで参加してたりする」
――ポップスとヒップホップがすごく接近している。
「そうですね。で、ケイティ・ペリーとかはロックっぽさもある。僕は子供の頃からずっとヒップホップばっか聴いてて、ロックは全然通ってなかったんですよ。ダンス・パーティーがあるとロック・チームはニルヴァーナとかかけてるんですけど、僕らはノーティ・バイ・ネイチャーとかヒップホップばっかりかけていて」
――なるほど(笑)。
「でも最近は聴いてなかったぶん、ロックがものすごく新鮮に感じちゃって。普段はスヌープとかボーン・サグズ(ボーン・サグズン・ハーモニー)とかばっか聴いてるんだけど、でもケイティ・ペリーも超好きで。その感じが良いなあと思うんですよね」
――USっぽさと日本のポップス感のバランスは意識しますか?
「自分の作る曲ってたぶん、USっぽいトラックに日本の歌謡曲っぽいメロディーを乗っけるみたいなスタイルなんですよね。自然にそうなっているし、別に海外っぽいことがやりたいとも思ってないんです。でも“i'm OK”は自分のなかにもMiChiさんのなかにも流れている外国の血を、もうちょっと強く出した曲のつもりです」
――そのへんのバランスの塩梅が新しく感じさせるんでしょうね。
「こういう曲が売れるかどうかはわからないんですけど、アーティストとしてはすごくやりがいがありましたね」
――最後に収録されているのは、倉木麻衣さんをフィーチャーした“言葉に出来ないほど好きなのに”のリミックス。リミキサーはGAGLEのDJ Mitsu the Beatsさんですね。
「Mitsu the Beatsさんは自分とは真反対のフィールドにいるようなトラックメイカーさんですけど、倉木麻衣さんが歌うすごいポップな曲をお願いしたらおもしろいかなあと思ったんです。Mitsuさんらしいディープなトラックに仕上げてくださってすごく良かったですね。聴けば聴くほどハマっていく感じで」
――正直、意外な人選だなあと。
「僕もそう思います(笑)」
――最後にラッパーとしてのGIORGIOさんについても訊かせてください。今回も全編でラップを気持ちよく披露されてますね。
「NERDHEADに関しては楽しんでラップしつつ、プロデュースする立場として自分を抑えないといけないんですよね。でも今回は、ラッパーとしてはかなり好き勝手にやっちゃいました」
――そういうことができる場としてNERDHEADがある?
「そうですね。今回は特にシンプルにいこうと思って。ラップにコーラスをどんどん重ねていくのも好きなんですけど、“i'm OK”なんかはラップを1本だけ入れて〈以上!〉みたいな。シンプル・イズ・ベストみたいなモードだったので」
――NERDHEADとしての今後の展望はありますか?
「いや、これからスタッフと話し合わないとって感じですね。もちろん制作はずっとやってますし、曲はいっぱいあるんですけど。もっとライヴをやりたいとは思ってます。NERDHEADはいろんなアーティストに参加してもらってるんで、これまではリリースごとにレコ発を一発くらいしかできなかったんですけど、客演なしでもいいので、ガツガツやりたいなと」