INTERVIEW(3)——いましかできないこと、いましか感じられないこと
いましかできないこと、いましか感じられないこと
――フォーキーなものにしても、ブライト・アイズから遡ってもっと古いものも聴いたりした?
「ボブ・ディランとかバーズみたいな、60年代のアーティストもめっちゃ好きなんですけど、そこから直接影響を受けているかっていうとそうではなくて、どっちかっていうと80年代とか90年代の影響があると思います。“With All Light”は多幸感を出すために(ストーン・)ローゼズのリズムを使ってたり、“The Morning”はもろプライマル(・スクリーム)ですね(笑)」
――いまのインディーものってわりと50年代、60年代といったもっと古いほうに行く傾向があると思うんだけど、何で80年代/90年代に参照点を求めたんだろう?
「何ででしょうね……そこは考えてそうしたわけじゃないんですけど、強いて言うなら長く聴かれるものを作りたいっていうのがあったのかなって思います」
――うん、まさに今回の作品っていうのは普遍性を捉えた作品だと僕も思ってて、なかでも“Oslo”はやっぱりキーになる曲だと思う。
「“Oslo”は曲が長いわりに歌詞はすごく少ないんですけど、それは映画のワンシーンを切り取ったような曲にしたかったからで、ワンシーンの台詞ぐらいの長さの歌詞にしたんです。ジム・ジャームッシュの映画が大好きで、そのワンシーンっていうイメージですね」
――曲調はすごく幅広いけど、アルバムとしての流れがいいから、散漫な印象にはなってないのがまたいいところだと思います。
「ファーストだし、いろいろ知ってもらいたいから、例えばEPからも1曲入れて、12曲ぐらいにしようっていう話もあったんです。でも、ひとつの作品として聴いてもらいたいっていう気持ちが強かったので(新曲)10曲にして、それが良かったのかなと思いますね」
――『BETWEEN THE BLINKS』というタイトルにはどんな意味が込められていますか?
「これは〈瞬きの間〉っていう意味なんですけど、いましかできないこと、いましか感じられないことを詰め込んだアルバムなんじゃないかと思ってこのタイトルにしました。来年には同じような曲は絶対にできないと思うんで」
――次の作品でガラッと変わる……ということも全然ありそうだよね。
「あると思います。いま全員ヒップホップ好きなんで(笑)」
――今回のアルバムで言うと、“Raindrops Always Let Me Down”みたいな曲ばっかりになったりしてね(笑)。
「その曲を作ったときは全員DJニュー・マークの“Imagine”を聴いてて、〈これヤバイね〉って話をしてたんで、もしかしたら次はゴリラズみたいになってるかもしれないです(笑)」
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