THE CHERRY COKE$ 『COLOURS』
[ interview ]
さらに幅広く、もっと奔放に。このバンドは本作において、本当の自由を手に入れたのかもしれない。
THE CHERRY COKE$のニュー・アルバム『COLOURS』。前作『BLACK REVENGE』から1年を待たずに届けられた本作は、彼らのルーツであるアイリッシュ・パンクを軸にしつつ、ヘヴィー・ロックからメロディアスなポップ・チューンまで広がる(タイトル通りに)色彩豊かなバンド・サウンドを体感できる作品に仕上がっている。「ここで止まったら次はない。〈いまは攻める時期だ〉と思っていた」(MASAYA、ギター)というこの1年の活動、そしてバンドの可能性を大きく広げた本今作について、KAT$UO(ヴォーカル)、MASAYA、TOMO(アコーディオン)の3人に訊いた。
歩みを止められなかった
――前作『BLACK REVENGE』から11か月でニュー・アルバムが完成。ペースが早めですね。
KAT$UO「去年の7月4日にアルバムをリリースして、そこからツアーに出て、それが今年の1月まで続いて。そこからすぐレコーディングに入ったんですけど、けっこう過密な感じでしたね。気付いたら、今年もいつの間にか6月になってたっていう(笑)。ツアーが終わってからここまではホントにアッと言う間でした。かなり目まぐるしいなかでやってたから、今回のアルバムに対する思いもひとしおです」
MASAYA「〈いまやらないと、いつやるの?〉っていう……あのCMじゃないですけど」
KAT$UO「〈いまでしょ!〉って(笑)」
MASAYA「(笑)でも、ホントにそういう感じだったんですよ。(メジャー・レーベルに移籍して以来)バンドを助けてくれる人もどんどん増えているし、メンバーを含めて〈こうしたい、こんなふうになったらいいね〉っていう将来図を描いていって。その絵を実現するためにも、歩みを止められなかったんですよね。ここで止めたら次はない。いまは攻めるときだっていう。バンドって、生モノですからね。時期を逃せば、モチベーションが下がることだってあるだろうし」
TOMO「個人的には悔しい思いもしたんですよね。前のアルバムのツアーが始まって、2回目ぐらいのライヴで腕を骨折して、4回ほどステージに出られなかったんです。その後も三角巾したままライヴをやったり……やっぱり悔いが残ってますよね、それは。いまのツアーは、そのぶんまでがんばりたいなって」
――〈Re:venge Of The ―Walk re― tour〉ですね。TOMOさんがケガで出演できなかった4公演を改めてやり直すっていうツアーですが、なんて言うか、本当に筋を通すバンドですよね。
MASAYA「……まいっちゃうなあ。そこに気付いちゃいました?」
KAT$UO「ハハハハハ。まあ、筋を通すことでここまでやってきたバンドですからね。今回の4回分のツアーに関しても、(前回のツアーのときに)勢いで〈チケットの半券を取っておいて。必ずまたやるから〉って言っちゃったもんだから。みんな忘れてるかと思いきや、ちゃんと覚えていたっていう(笑)」
MASAYA「〈必ずまたやるから〉ってうのは、自分たちに対する言葉でもあるんですよね。自分がお金を出してライヴに行って、不完全なライヴをやられたら〈ふざけんな〉って思うだろうし。TOMOちゃんの悔いもあるし、俺らの責任もあるし……。いまはバンドの数も多いから、中途半端なことをしてたらアッと言う間に忘れられると思うんですよね」
KAT$UO「でも、ありがたいですよ。〈悪いけど、また来てくれよ〉って言ったら、ちゃんと来てくれるんだから」
TOMO「愛ですよね。気合いも入りますよ、ホントに」
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