INTERVIEW(3)――真冬の有意義な過ごし方を見つけた
真冬の有意義な過ごし方を見つけた
一十三「今回、“LAST FRIDAY NIGHT SUMMER RAIN”という曲でPVを作っていて、それこそホイチョイ的な胸キュン映画仕立てになってるんですね。で、歌詞を書く前に弓削さんからかなりちゃんとした脚本が送られてきて、それを発展させた歌詞も作って。撮影した場所は逗子マリーナで、このなかで演じているのは、一十三十一とは別人なんです。立花瞳っていう役名(笑)。職業も決まっていて、立花瞳は……」
弓削「ライフスタイル・プロデューサーで」
一十三「そう、登場人物はみんないまをときめく憧れの職業で……みたいな。都内に住んでるんだけど、週末はオープンカーに乗って逗子に来て、ミニFM局でDJをやってるという。で、元カレがいて、そのカレの今カノがいて、(瞳は)未練はないんだけどちょっとハートブレイクな感じなんですよね。なんだけど、また別に気になる男の子がいて……」
──かなり徹底してますね(笑)。そういえば今回の作家陣は、『CITY DIVE』から引き続いてのクニモンド瀧口さん、それからDORIANさん、Kashifさん、南條レオさん……。
一十三「Kashifくんは今回かなり参加してもらってますね。アレンジャーとしてもそうですが、曲を書いてもらったり、他の人の曲でもギター弾いてもらったり、ほとんどの曲に参加してるんじゃない?っていうぐらい」
──LUVRAW & BTB、grooveman Spot、Avec Avecといった方々は新たに加わったメンツで。
一十三「grooveman Spotくんは『CITY DIVE』をすごく気に入ってくれてたみたいで、個人的にリミックスも作ってくれてたんです。江ノ島のOPPA-LAのパーティーでLATIN QUARTERくんがそれをかけていたので知って。それで本人と出会ったんです。なので曲をお願いするときも、お題は〈OPPA-LAで、真夜中で、みんなが踊って楽しめるイメージ〉っていうだけで〈わかったわかった〉って(笑)。『CITY DIVE』を深いところでキャッチしてくれてた彼だから、イメージが伝わりやすかった」
弓削「『CITY DIVE』があったから、全然ブレずに理解してもらえるんですよね」。
──つくづく感心するというか、うっとりしてしまうのは、ギミックはめちゃくちゃ凝ってるんだけど、最終的に一十三十一の歌になってるっていうことなんですよね。
弓削「まず声に特徴があるし、良いものは良いっていう感じで採り入れるっていうか、そのへんが柔軟だなって。だから、僕も最初に考えてることをバーッと出して、で、納得してもらったうえで共有して、作り上げていった感じなんですけど、すごくやりやすかったですね。ホントに、僕も自分が持ってるものを全部放り込めた感じです。やりきった感はあります」
一十三「まだまだお願いします(笑)」
弓削「ホント、良い作品になったなって、音もヴィジュアルも。何回聴いても飽きない。『CITY DIVE』のときも、ビデオのロケハンやらロケ中を含めて、そこだけでも300回ぐらいは聴いてたんですけど、不思議と飽きないんですよね。たぶん、曲と声のバランスがホントにマッチしてるんだなって思います」
一十三「『CITY DIVE』を出した後、ツアーなどで〈これより良いアルバムを作れるんですか?〉ってプレッシャーをかけられたりもしたんですけど、ナイスなチームワークでとても素敵なものが出来ました!」
──まだまだアイデアは尽きなさそうですね。
一十三「『CITY DIVE』のときもそうだったんですけど、1月、2月っていう真冬に真夏のことだけを考え続けるのが最高だなと思って。私、1月/2月/3月って自分にとって意味ないなってずっと思ってたんですよ(笑)。いらないなって(笑)。12月が私の誕生日で、ロマンティックな冬は12月で終わりって思ってて。その後は春を待つばかりで何の取り柄もない冬だと思ってたんですけど、その時期を使って制作に没頭できるようになってからは――朝起きて、フィットネスに行って、汗流して、帰ってきて制作に没頭して、寝て、また朝起きて、フィットネスに行って……ってただそれだけを延々と繰り返すっていうストイックな日々をずっと送ってるんですよ。1月/2月/3月の有意義な過ごし方を見つけたので、来年以降もこのスタイルでいきたいなって思います」