インタビュー

INTERVIEW(4)――ひとつのバンドのCDがいろんなジャンルの棚に置かれている感じ



ひとつのバンドのCDがいろんなジャンルの棚に置かれている感じ



村井研次郎
村井研次郎

――そのパワーが今回のヴァージョンはより増していると思いますね。こうして6曲を振り返ってみると……。

「まあ言うなれば、『1』は悪意の詰め合わせセットですね」

――それをストレートに音にしました、という雰囲気ではありますね。

「うん、変なギミックとかも入ってないし。お客さんからしたら、いろんなタイプの曲が入ってるこれまでのcali≠gariのアルバムに聴き慣れてるから、こういうふうにひとつの方向でまとまったものを提出されてしまうと、〈おっ!〉て構えちゃうと思うんですよ。でも聴いてみて、こちらの意図を汲んでもらえると嬉しいかなとは思いますよね。これからもとっ散らかった感じのもの……きっと、次のオリジナル・アルバムの『12』とかはそうなっていくと思うんですけれど、だからこそ、いまは同じ方向に突出した曲同士でパッケージしたものをコンセプトとして出してみたい、っていう」

――バンドの特色のうちの一面を際立たせたものをコンセプトに。

「うん。だから、これは『1』ですよね? このあと『2』が出て、『3』が出て、『4』が出て、きっと『5』ぐらいまでなったときに、みんな今回の意図に気付いてくれるんじゃないかなって思いますね。これ、全部おんなじバンドなの?って。『1』だけだとちょっとわかりづらいかもしれない。例えばね、レコードショップに行ったとして、ひとつのバンドのCDがいろんなジャンルの棚に置かれている、そんな感じですよね。cali≠gariというコーナーだけでまとめられない、みたいな(笑)。極端に言ったら、演歌の棚にあって、R&Bの棚にあって、パンクの棚にあって、ヴィジュアル系の棚にあって、ジャズの棚にあるとか。セルフ・カヴァーのシリーズでは、そのぐらい極端なものを作っていきたい……まあ、演歌は作りませんよ(笑)?」

――それでは、今回『1』を出して、このあとは『5』まで?

「まだわからないですけどね。とりあえず『2』は出ます。まあ『4』ぐらいまではテーマもきっちり固まってるんですけど、その先が難しいんですよね。今回は僕が主導でしたけれど、今後は僕の曲を石井さんが丸っきりリアレンジしちゃってるパターンもあるし、逆に石井さんの曲を僕がいじったりすることもあるし。だから皆さん、出来上がりを楽しみにお待ちいただければと思いますね」




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掲載: 2013年07月03日 18:01

更新: 2013年07月03日 18:01

インタヴュー・文/土田真弓