INTERVIEW(2)――あ、上手くなってる
あ、上手くなってる
――忙しいこと自体はどう思ってますか。
ねむ「生きてるなって思う」
瑛美「引きこもってた時期があるので、世間から必要とされるのが嬉しくてしょうがないです」
ねむ「人間として意味があるというか……これ暗い? 暗い? 大丈夫?」
梨紗「家にいても楽しいっちゃ楽しい時もあるんだけど、別に私はいなくても世界は回るなって思う」
瑛美「そうそう!!」
梨紗「それに気付いちゃった時の喪失感とか寂しさに比べたら、いまのほうが全然いい」
瑛美「先週の金曜日それで泣きそうになった」
――昔の話じゃなくて最近じゃないですか(笑)。僕なんかは仕事をできるだけ少なくしていっぱい寝たいなとかって常々思うんですけど。
ねむ「それじゃ生きていけないじゃないですか!! でも、家にいたり、学校行かなかった時期に寝溜めた感はある」
――古川さんもそう?
未鈴「そうですね……。忙しい時によく思うのは、嵐さんとかAKB48さんはどうやって生活してるんだろうって」
一同「そうそうそう!」
ねむ「嵐さんに比べたら全然ヒマなはずだもんね」
未鈴「そういうことばっかり考えちゃう。どういう生活リズムなんだろうって。うちらがこのくらい動いててそこそこだから、んんって。まだまだだなって思います」
ねむ「うちらの効率が悪いというか、打率が低い説もある(笑)。でも、目に見えて周りのスタッフさんが忙しそうっていうのは思います。寝てなさそうとか。そういうのを見てるとね」
未鈴「うちらはそうでもないなって」
ねむ「うん。うちらはステージの瞬間だけガーッと100出せばいいもんね」
――でもあれだけライヴをしていたら体力ついてるんじゃないですか。
ねむ「でも、海外に行くことが多くなったので、それまでと違う疲れがあって。飛行機だったり時差だったり緊張だったり」
――飛行機で寝れないとか。
瑛美「寝れないです! ゲームしちゃう」
ねむ「疲れのヴェクトルがオタ活っていう(笑)」
――海外行くことが本当に多いですよね。
梨紗「ケータイ代高くなるし、月に10日はいなかったりするのに家賃払うし……」
ねむ「誰か住んでくれみたいな」
未鈴「日割りで払ってもらってね」
――あはは。インドまで行っちゃうのはびっくりしました。
梨紗「“キラキラチューン”のリリース・イヴェントの時に、〈でんぱ組.incで友達の輪を作りたい〉みたいに言ったことがあったんですけど、サンフランシスコの〈Japan Expo〉に出た時に、こっちと向こうのファンの人が交流して、英語と日本語のコール本を作ってくれたのは感動しました」
――すごい!
未鈴「クォリティー高かった」
ねむ「でんぱ組.incの歌詞って繊細な言葉遣いだと思うんですけど、ちゃんと英訳してあって。ファンの方々が国境を越えて、協力してくれたんです。フランスで取材していただいた時も、記者の人が普通に昔のでんぱ組.incのTシャツとか着てたり(笑)。オタ気質の人が多いのかな」
梨紗「日本でも海外でもファンの方がクリエイティヴだなって思います。コスプレの衣装を作るとか、法被を自主制作するとか」
ねむ「アイドルのコスプレってあるにはあると思うけど、でんぱ組.incの女の子のファンってすごいコスプレやってくれるんですよ。受け入れられ方がキャラクターっぽいというか」
瑛美「アメリカの〈Japan Expo〉のサイン会で〈でんぱ組.incは私のいちばん好きな日本のヒロインだ〉って言われたんです。ヒロイン!!!」
――人間だけど、確かにキャラとかマスコットっぽいところはありますよね。
ねむ「ダンスが揃わないとか歌唱力にバラつきがあるとか、アイドルとしてどうかなっていうことがいっぱいあったと思うんですけど、それにめげずにやってきて。それで〈あ、上手くなってる〉とかの楽しみ方があるかもしれないし」